2019年3月31日 更新

日本の即身仏とは?即身仏になるための修行法や失敗例

即身仏とは何なのか、どうやって作るのか、どんな人が即身仏になるのかなどを知りたいと思っている方のために、即身仏と関係の深い弘法大師空海を取り上げ、実際の即身仏の作り方やその失敗例、現代日本での即身仏の捉え方、海外の反応などをご紹介しています。

木食修行

Fruit Nature Leaf - Free photo on Pixabay (132583)

木食修業とは、それまで食べていた穀物などの通常の食事を一切断って、代わりに木の皮や木の実、山菜などを食べてかろうじて命をつなぎ、経を読んだり瞑想をしながら約1000日の期間を過ごす修行とされています。腐敗せず即身仏になるためには、体の脂肪を削ぎ落す必要があり、一説によれば完全に脂肪を削ぎ落すには1000日続ける必要があると言われています。

土中入定

Japan Mount Kurama Woods - Free photo on Pixabay (135813)

木食修業により体から全ての脂肪を削ぎ落し、誰かに支えてもらわなければ歩けないほど衰弱したら、土中入定が始まります。僧は土を掘った穴の中に作られた石室に自ら入ります。石室は空気の通り穴はありますが、上から蓋をされ土がかけられるため、中から出ることはできません。そこで経を読んだり、神仏に祈りを捧げながら断食死を迎えるのです。

即身仏になる詳しい手順

Buddha Buddhism Statue - Free photo on Pixabay (132596)

では即身仏になる詳しい手順を見て行きましょう。

十穀断ちで脂肪や水分をそぎ落とす

Seeds Sunflower Grain - Free photo on Pixabay (135851)

まずは十穀断ちで体内の脂肪や水分を出来るだけ削ぎ落します。十穀とは「小豆(あずき)・粟(あわ)・芋(いも)・黍(きび)・胡麻(ごま)・米(こめ)・蕎麦(そば)・大豆(だいず)・稗(ひえ)・麦(むぎ)」のことで、これらの穀物は俗世の穢れにまみれた物とされ、断つことにより身を清めるとされています。

塩と水だけでさらに断食

Buddhist Ritual Water - Free photo on Pixabay (135858)

さらに余分な物を体から出すため、塩と水だけで断食を続けます。こうすることによって、体内の脂肪はほとんど無くなり、ついには皮下脂肪も少なくなり、誰かに支えてもらわなければ歩けないほど衰弱します。

漆の樹液を飲み腐敗を避ける

Rhus Autumn Leaves - Free photo on Pixabay (135870)

入定する前に、腐敗や虫がわくのを予防するため、人体にとっては毒性の強い漆の液体を飲みます。漆の樹液は嘔吐や下痢発汗などを促進するため、残った水分を出来るかぎり排出してから入定となります。

地下三メートルの石の室に入る

Cave Rock Entrance - Free photo on Pixabay (135891)

地下3メートルほどの穴の中に石室を埋め、さらにその石室の中には座禅を組みながら入れる木棺が入っています。木棺のまわりは防湿・防臭のために木炭でびっしりと埋め尽くされていて、木棺の中には即身仏になる僧が入ります。師匠が入ったら弟子たちが蓋をして土をかぶせます。石室は密閉され、真っ暗な空間のなかで死を迎えるまで、僧は一人ひたすら経を読み神仏に祈りを捧げます。

太い竹筒から酸素と水を送る

Natural Landscape Japan Garden - Free photo on Pixabay (135873)

石室には細い竹筒と太い竹筒が合わせて2本通してあり、太い竹筒から酸素を確保するとともに、師匠が成仏するまで弟子たちが水を送ります。細い竹筒には鈴が通してあります。

決まった時間に鈴を鳴らす

Utah Mountain Sky - Free photo on Pixabay (135889)

毎日決まった時間に弟子たちが鈴を鳴らすと、師匠も細い竹筒に通してある鈴を鳴らすことで自分が生存していることを伝えます。そして竹筒から鈴の音が聞こえなくなると、弟子たちは師匠が成仏しことを悟るのです。

弟子たちが石の質を密閉する

Theravada Buddhism Pay Homage Bow - Free photo on Pixabay (135897)

その後弟子たちが、空気の通り道であった竹筒を抜いて石室を密閉します。地下3メートルほど下にある石室の温度は、1年を通してほぼ一定に保たれます。

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