2019年8月21日 更新

ルッキズムの意味とは?日本や韓国にこの傾向が強い?理由は?

ルッキズムとは外見の善し悪しによって人を判断する外見至上主義を意味する言葉です。韓国の影響を受けて、最近では日本でもルッキズムの傾向が強まってきました。この記事ではルッキズムの具体例や、女性嫌悪(ミソジニー)との関わりについて解説しています。

目次

ミソジニーとは

Fear Woman Stop Violence Against - Free photo on Pixabay (572890)

フィロジニーと関連する概念として、ミソジニーという言葉について確認しておきましょう。ミソジニーとは簡単に言うならば「女性嫌悪」であり、性別が女性であるというだけで男性よりも劣った取るに足りない存在だと見下し、差別的・排除的な扱いをしようとする考えや現象を意味します。

ミソジニストの多くは男性ですが、女性であっても男性を無条件で優れた人間だとあがめ、それに対して女性を卑下し嫌悪感を持ってけなす人も存在します。

ミソジニーの具体例としては、たとえば痴漢加害者である男性を批判するのではなく被害者である女性を「男を誘うような服装をしているから悪い」と不当に責めたり、「女は嘘つきな生き物だから、痴漢被害に遭ったと嘘をついて男性を貶めようとしている」と、とんでもない解釈をするケースなどが挙げられるでしょう。

フィロジニー傾向が強い理由

Model Women Beauty - Free photo on Pixabay (572893)

男尊女卑的な傾向が他の先進国と比べると極めて強い日本社会では、旧来的な女性らしい外見・性格の女性は男に従順な存在であると考えられているため、フィロジニーの傾向が強いと言われています。

女性たちの側からしても、男性の歓心を買うために、また男性からの反発を買わないために、自立的なハンサムウーマンではなく、男性にとって都合のよい「女性らしい女性像」を追求せざるを得ない部分があるのでしょう。

また、日本社会においては女性は男性から一方的に性的に消費される「鑑賞物」であり、男性が女性の見た目について点数をつけたり傲慢にも論評するのを許す風潮が強くあります。
Woman Female Beauty - Free image on Pixabay (573534)

さらに悪いことに、日本社会において男性は女性よりも圧倒的に強い権力を持っていることが多いため、女性は男性からポジティブに評価される「女性らしい女性像」に従うしかないのでしょう。

このような点において、ルッキズムとフィロジニーとは密接に結びついていると言えます。ちなみに、ドイツや北欧諸国などジェンダー・ギャップの少ない先進国においては、日本人のようにばっちりメイクをしている女性は少なく、スカートやワンピースを好む日本人女性とは対照的に、ほとんどの女性がズボンをはいています。

特別なパーティーなどがない限り、日本人女性のように入念にメイクをすることもフェミニンなファッションに身を包むこともなく、女性らしいルックスをしなくてもよい社会的な風潮があるのです。

ルッキズムは正当な評価だという意見

Communication Head Balloons - Free image on Pixabay (572897)

ルッキズムはさまざまな問題点を内包しており、それによって多くの人々が自己肯定感や自信を失ったり、過剰なダイエットや美容整形依存などに走ってしまっている現実が存在します。

このようにしてみると、ルッキズムはなくすべき悪しきものだと言えるでしょう。しかし一方で、ルッキズムは正当な評価だという意見もあります。それは一体なぜなのでしょうか?

ルッキズムに対する反対意見だけでなく、賛成意見も見ないことには偏った判断になってしまいかねません。そこでここからは、外見で人を判断することをよしとする人々の意見について見ていきましょう。

内面は外見に表れる

Face Girl Close-Up - Free photo on Pixabay (572901)

ルッキズムを肯定し、他人を外見によって判断することをよしとする人々は、「内面は外見に表れる」ということをその根拠のひとつにしています。

確かにこのことは否定できない部分も多いことでしょう。たとえば、意地の悪い性格をしている人は、たとえ顔の造りが整っていたとしても、年を取るにつれて徐々にその性格が顔つきに表れ、魅力的なルックスではなくなってしまいがちです。

また、生まれつき顔の造りが「ブス」や「ブサイク」と評される人であっても、性格がよく努力家であるならば、その美しい心根が顔つきにも表れ、とても魅力的に見えるものです。このことからも、外見によってその人物の人となりをある程度判断することは可能だと言えるでしょう。

外見に気を遣えない人は自己管理ができない

Thick Overweight Obesity - Free photo on Pixabay (572904)

外見に気を遣えない人は自己管理ができていない証拠だというのも、ルッキズムを支持ずる人々がその根拠としてよく持ち出す論理のひとつです。

これも、確かに一理あるでしょう。自己管理ができている人ならば、そもそもひどく太ったり不潔でだらしない格好をすることはありません。

身だしなみはマナーであると理解しているからこそ、きちんとした性格の人は他人を不快にさせない清潔な身なりに整えるものです。また、自己管理ができる人は健康的な食生活や運動習慣を身に着けているため、そもそも太りません。
Burger Hamburger Bbq - Free photo on Pixabay (573559)

反対に、自己管理がなっておらず怠惰な性格をしている人物は、その内面が外見にも表れてしまうことでしょう。たとえばば、「面倒くさいから」という理由でろくに入浴もせず体臭のきつい状態で外出をしては、他人に不快感を与えます。

髪の毛には寝癖がつきっぱなしで、歯は黄ばみ口からは悪臭がし、服はよれよれで汚れていることでしょう。また面倒くさがって自炊も運動もろくにしないため、不健康なほどぶくぶくと太ってだらしない体型になってしまいがちです。

このようなことからも、外見は自己管理によって大きく左右されると言えるのかもしれません。

外見に魅力がないのは客観視できず視野が狭い証拠

Man Fat Sofa - Free vector graphic on Pixabay (572910)

魅力的なルックスをしていないのは、自分のことを客観視できず視野が狭い証拠であるというのも、ルッキズムを肯定する人々の言い分として挙げられるでしょう。

他人の目に自分がどう映っているのかを客観視することができれば、他人の評価をポジティブなものにするために努力をして、ルックスを改善することができます。

それができないのは自分の狭い世界に閉じこもってしまっているからであり、社会性に欠けていると言うのも一理あるでしょう。

業種によって外見で採用者を選ぶのは当然

Japanese Concierge Hotel - Free image on Pixabay (572912)

ルックスにもとづいて人を判断するのをよしとする人々の中には、「業種によって外見で採用者を選ぶのは当然だ」と主張する人も多くいます。

確かに、業種によっては業務上の能力やこれまでのキャリアだけでなく、ルックスという要素も加味したうえで選考をされるのは致し方ないのかもしれません。

たとえば美を売りにしている芸能人はもちろんのこと、企業の顔として来客によい印象を与える役割を担っている受付嬢やキャビンアテンダントなどは、業務を遂行するために求められる「能力」のひとつに優れた容姿が含まれているとも考えられるでしょう。

創意工夫によって外見は変えることができる

Lipstick Lipgloss Lip Gloss - Free photo on Pixabay (572914)

努力さえすれば外見はいくらでも変えられるというのも、ルッキズムを支持する人々がよく口にするフレーズです。つまり、人から雑に扱われたり差別的な扱いをされるのは、魅力的でないルックスを変えようとしない本人に責任があると言うのです。

確かに、人の評価や自分を見る目を変えることはできませんが、自分ならば自分自身の手でいくらでも変えることは可能でしょう。

ダイエットをしたりヘアメイクやファッションを工夫したり、あるいは美容整形手術を受けることで外見を変えることができるからです。それをしないで魅力的でない外見のまま留まっているのは、本人に向上心がなく努力をしないからだといのが、ルッキズムを支持する人々の言い分なのでしょう。

自身の外見を変えられない人は自分以外に不平不満を向ける

Warning Angry Be Careful - Free photo on Pixabay (572916)

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