2019年8月21日 更新

ルッキズムの意味とは?日本や韓国にこの傾向が強い?理由は?

ルッキズムとは外見の善し悪しによって人を判断する外見至上主義を意味する言葉です。韓国の影響を受けて、最近では日本でもルッキズムの傾向が強まってきました。この記事ではルッキズムの具体例や、女性嫌悪(ミソジニー)との関わりについて解説しています。

目次

交友関係や思考に影響を与える

Woman Portrait Girl - Free photo on Pixabay (572858)

交友関係や思考に影響を与えてしまうというのも、ルッキズムの悪しき影響のひとつとして挙げられるでしょう。社会からネガティブな評価を受ける容姿を持つ人々は、「自分はブス・ブサイクだから」と思い込んでしまい、積極的に人と交流をしなくなってしまいます。

なぜならば、ルッキズムがはびこる社会では外見が悪いというだけで内面を見てもらうことができず、嘲笑されたり輪から除外されてしまうからです。

そのようなつらい経験によって次第に交友関係を自分で狭めるようになるのと同時に、卑屈な思考に陥ってしまうことでしょう。

自己評価が低下する

Girl Upset Sad - Free photo on Pixabay (572859)

自己評価が低下してしまうというのも、ルッキズムがもたらす悪しき影響のひとつに含まれるでしょう。

人と比べて特に容姿が劣っているというわけではないのにも関わらず、美男美女の芸能人の加工された写真と自分のそれとを見比べては、「自分はブス・ブサイクだ」と思い込み、自分にネガティブな暗示をかけてしまう人も少なくありません。

また、容姿が原因で人から雑で不当な扱いを受けると、「自分はこんな見た目をしているから人から愛されることがないのだ」と絶望し、自尊心も自信も失ってしまうことでしょう。このようにルッキズムの影響で自己肯定感をなくした人々の中には、美容整形に依存してしまうケースもよく見られます。

魅力的な容姿に変えようとするため外見が似てくる

Woman Girl Model - Free photo on Pixabay (572862)

ルッキズムが蔓延する社会においては、容姿がよくなければ他人から雑に扱われまともな生活を送ることができません。そのため、人並みの人生を送るため、あるいはよりよい生活を得るために、世間が「魅力的」と考えるルックスに自分の見た目を変えねばならなくなってしまうのです。

人々は画一的な美の基準を追い求め、ヘアメイクやファッションを変えたり美容整形手術を受けることになるため、皆が似通った外見になってしまうでしょう。

現に、ルッキズム大国である韓国では美容整形手術を受けた女性たちが金太郎飴のように似たような顔になることから、美容整形病院の多い江南地区とそこで手術を受ける女性たちを揶揄して、「江南姉さん」という言葉が使われているほどです。

主観的な幸福レベルには影響を与えない

Sad Girl Crying Sorrow - Free photo on Pixabay (572863)

私たちはルッキズムによって急き立てられるようにして、自分の外見を社会が「好ましい」と考えるものへと近づけようとします。

過酷なダイエットに耐えてスリムな体を手に入れる人もいれば、美容整形手術を受けて顔そのものを造りかえる人もいることでしょう。

ですが、たとえ世間一般でプラスの評価を受けるルックスを手に入れたとしても、主観的な幸福レベルには影響を与えないのです。要は気の持ちようであり、ルックスを変えたとしても自分に自信を持つことができなければ、いつまで経っても外見に関するコンプレックスに囚われ、幸せや自信を得ることはできません。

日本で見られるルッキズム

Blue Eyes Woman Female - Free photo on Pixabay (572867)

以上でご紹介したことからも分かるように、ルッキズムは社会に良いものをもたらすというよりは、悪いものをもたらし人々の幸福感や自尊心・自己肯定感を損ねてしまうものだと言えるでしょう。

ルッキズムの恐ろしいところは、人々が「私は外見至上主義に陥っている」という自覚をもつことなく、人々の心の内側にじわじわと浸透し、いつの間にか社会全体の風潮を変えてしまっているという点にあります。

私たちが気づかないだけであって、日本社会にも実はさまざまな形でルッキズムが浸透しているのです。ここからは、日本で見られるルッキズムの具体的な事例についてご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧になってみてください。

顔面評価アプリ

Smartphone Cellphone Apple I Phone - Free photo on Pixabay (572869)

日本社会におけるルッキズムの具体的な事例としてまずご紹介したいのが、顔面評価アプリです。顔面評価アプリとは、自撮りをした写真を使うことで、自分の顔がどれほど美男美女の比率に近いのかを自動的に判断する仕組みになっています。

しかし、そもそも美の基準とは客観的なものではなく極めて主観的なものです。人によって美醜の基準はさまざまですし、本来、「美しいルックス」は画一的なものではなく多様なものであるにもかかわらず、顔面評価アプリは一辺倒な美の基準を設定し、それをアプリ利用者にいわば押し付けるような形で美醜を判断しているのです。

客観的な判断ではないにも関わらず、顔面評価アプリの利用者はその判定によって一喜一憂したり、自分の外見について歪んだ認識を持つようになってしまうでしょう。

過激なダイエット

Belly Body Calories - Free photo on Pixabay (572872)

特に若い女性たちの間では過酷なダイエットにチャレンジしてしまうケースが多く見られるというのも、日本社会に確実にルッキズムが浸透している事例のひとつとして挙げられるでしょう。

本来、ダイエットとは健康を維持するための食事管理を意味する言葉であり、健康を損ねてしまうほどの過激な減量を意味するものではありません。

にも関わらず、日本社会ではガリガリのモデル体型こそ女性が目指すべき姿であるという考えが浸透してしまっているため、女性たちは極端にカロリー制限をするなどして過酷なダイエットに足を踏み入れてしまうのです。
Weight Loss Slimming Diet - Free image on Pixabay (573505)

「細ければ細いほど美しい」という美の基準が女性たちにのしかかってしまった結果、女性たちは自らの健康を損ねるようなダイエットに走ってしまうのです。

このようなルッキズムは女性の心と体の健康に多きなダメージを与えるだけでなく、その自尊心や幸福度をも損ねるとても不幸なことです。

過酷なダイエットを行った結果、肌も髪もボロボロになって健康的な美しさを失ってしまう女性も多いことでしょう。また、極端な食事制限などが原因で骨粗しょう症のリスクが高まったり、拒食症になってしまったというケースも少なくありません。

写真の過剰な加工

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日本におけるルッキズムの事例のひとつとして、自撮り写真をアプリなどを使って加工するのが一般的になっているということも挙げられるでしょう。

本来、写真を加工するのは女優やモデルなど、自らの美を「商品」として売り物にしているごく一部の人に限られたものでした。

しかし、ルッキズムが蔓延して一般人にも芸能人やモデルのような美しさが求められるようになった昨今では、10代の少年少女からシニア世代に至るまで、多くの人々が自撮り写真を加工して、社会が求める「美しい」基準へと自分を近づけているのです。
Smartphone Face Woman - Free photo on Pixabay (573511)

肌を美しく見せる美肌アプリを使うのはごく一般的なことになっていますし、自らをスタイル抜群に見せるために、顔を小さく加工し、足を引き延ばした自撮りをSNSにアップする人も年々多くなってきています。

十数年前の感覚ならば、自分の写真をインターネット上に頻繁にアップすることも、自らをより良く見せるために加工・修正を施していることも、「恥ずかしい」ことだと認識されていたことでしょう。

ですが、ルッキズムが浸透しきった昨今においては、このようなことはごく「普通のこと」になってきているのです。

制服

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