2019年7月30日 更新

死刑囚最後の一時間とは?死刑囚の日常や死刑囚と刑務官の心境も

死刑囚の最後の一時間について知りたいと思った事はありませんか?この記事では死刑囚の最後の一時間を含め死刑囚の日常や死刑執行の流れ、刑務官の苦悩や死刑囚の心情などを詳しく解説している記事になっています。気になる方はぜひお読みください。

三つ目は「教誨室で死刑執行を言い渡される」について解説していきます。死刑場エリアへ行くため、エレベーターに乗せられた死刑囚はまず、教誨室にいきます。

ここでやっと刑務官から本人に、死刑執行が言い渡されます。言い渡された後、所持品の処分をどうするか確認され、希望すれば仏教やキリスト教などの宗教家である教誨師と話すことができます。

また、お菓子やくだものを食べることができたり、タバコを許可される拘置所もあります。過去には教誨室でタバコを一服した後、妻への感謝の気持ちを刑務官に伝えたという実例もあります。

控えの間で目隠し手錠

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四つ目は「控えの間で目隠し手錠」について解説していきます。控えの間とは、教誨室の次に行く前室の事です。

前室にはカーテンがかけられており、執行室との区切りをつけるものです。前室では、拘置所所長より死刑囚に正式な死刑執行が告げられます。

死刑囚が仏教ならお経を読み、キリスト教なら賛美歌を歌います。儀式が終わると刑務官に囲まれます。この時、刑務官の人数は基本四人です。拘置所によっては多少異なります。

その後、死刑囚は刑務官により目隠しと手錠をかけられ、執行室との区切りであるカーテンが開いて執行室へ通されます。以前までは、頭から顎まで頭巾でしたが、現在はアイマスクを使用しています。

失敬室の踏み板の上に移動

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五つ目は「失敬室の踏み板の上に移動」について解説していきます。目隠しと手錠をかけられた死刑囚は、刑務官に連れられて前室を出て、失敬室の踏み板の上に移動されます。

踏み板とは死刑が執行される際に、踏み板が開き死刑が実行される板のことです。踏み板は一メートル四方の小さい板です。

死刑囚は、この踏み板に乗った瞬間から二度と動く事はできません。死刑囚にとっては、もう死刑執行を待つ事だけしかない状態です。

首と足を固定する

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六つ目は「首と足を固定する」について解説していきます。日本の死刑執行方法は、絞首刑と決まっております。

まず、膝下から十センチほどの位置で両足を縛ります。この時に使用されるものは、捕縄という直径一センチほどの縄です。

首には直径三センチのロープの輪を固定します。この二つが完了すると同時に、指揮官が踏み板を開かせる電動のスイッチを押すよう命じます。

失敬室はガラス張りになっており、立会い人達はガラスの外から死刑囚を見届けることができます。この間はずっと読経が流れています。

執行ボタンが押される

Hand Finger Button - Free photo on Pixabay (519030)

七つ目は「執行ボタンが押される」について解説していきます。死刑囚の首と足を固定した後、拘置所所長から指示された刑務官三人はボタン室の壁に向かいます。

執行ボタンと言われているスイッチのボタンは三つあり、通電しているボタンは一つしかありません。それは刑務官の精神的苦痛を三分の一に軽減しようとした配慮です。

ですが、軽減というよりボタンを押した三人の刑務官が「自分が押したボタンで死刑執行を行ったんじゃないか」という同じ苦しみに苛まれるといいます。

執行の瞬間の様子

Candle Light Candlelight - Free photo on Pixabay (521325)

八つ目は「執行の瞬間の様子」について解説していきます。拘置所所長が手を振りかざすのを合図に、死刑執行ボタンを刑務所三人が同時に押します。

この時、拘置所所長は無言で手を振りかざします。死刑囚は吸い込まれるように踏み板の底に落ちます。落ちる高さは拘置所によって多少異なりがありますが、三〜五メートルぐらいです。

落ちた死刑囚の首は伸びきり、脊髄は断裂し、動静脈は完全に静止します。この時、死刑囚の意識はなくなっていますが、肉体的にはまだ生きています。執行後十五分から二十分近く、心臓は動いているのです。

執行ボタンはなぜ3つあるのか

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先ほどの「死刑執行までの最後の一時間」で解説してきました、七つ目の「執行ボタンが押される」で出てきた「三つのボタン」についてを三つに分けて詳しく解説していきます。

通電されているのは一つ

Electric Electricity Building - Free photo on Pixabay (521508)

まず一つ目は「通電されているのは一つ」について解説していきます。死刑執行されるにおいて刑務官三人が押すボタンは全部で三つありますが、通電されているのはそのうちの一つだけです。

こうした構造になっているのは、誰が押したボタンで床が開いたのかわからなくするためです。ボタン室から処刑場は見えなくなっていますので、ボタンを押した刑務官は死刑囚が落ちる瞬間を見ることがありません。

仕事とはいえ、刑務官の精神を配慮した仕組みとなっております。

刑務官の精神的苦痛を軽減するため

Mannequin Alone Women - Free photo on Pixabay (521595)

二つ目は「刑務官の精神的苦痛を軽減するため」について解説していきます。再度確認いたしますが、死刑執行の命令を出すのは拘置所所長で、死刑執行を実行するのは三人の刑務官です。

そのため刑務官には精神的苦痛を軽減するため、さまざまな配慮がされています。ボタンが三つある仕組みやボタン室から処刑室が見えないような構造にしていること、ボタンを押す係を受け持った刑務官三人には二万円が支給され、その日の仕事はこれで終わりであるというような配慮がされているのです。

実際は苦痛は3人分になっている

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三つ目は「実際は苦痛は3人分になっている」について解説していきます。刑務官の精神的苦痛を軽減するためにボタンは三つありますが、実際は軽減されているのでしょうか?

自分が押したボタンで死刑囚が死んだと分かれば、その刑務官は今後もずっと「俺が殺した」という思いを持って生きていくことになるでしょう。例えボタンが三つあったとしても、刑務官三人は「もしかしたら俺が押したボタンで床が開き、死刑囚が死んだのではないか」という気持ちになります。

ですから、刑務官にとって精神面苦痛があることに変わりないですし、一人で気持ちを背負うか三人で気持ちを分け合うか、という結論になってしまういます。

死刑執行にあたる刑務官の苦悩

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