2019年7月25日 更新

児童婚とは?児童婚が存在する理由や存在する国

児童婚は現在も文化として存在していますが、性行為の強要による低年齢の出産にはリスクがあります。児童婚が存在する理由やネパールやアメリカ、ノルウェーで行われていることについてご紹介します。かつては日本でも児童婚と呼ばれる年での結婚が認められていました。

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貧しくて学費を払えない家庭では子どもが自主退学をすることがあります。教育自体は無償でも試験や制服、学用品などの費用が払えないと学業を断念するしかありません。

教育を受けられないと仕事に就くことが困難なので娘を生かすために結婚させるのです。しかし結婚した後は家事をこなしながら重労働をしなければならず大変な思いをします。

貧しいことには変わりないため、妊娠をしても重労働をやめることができずに流産してしまう女性も多くいます。また、夫の収入に頼ることになるので自立ができません。

児童婚がもたらすリスク

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18歳未満で結婚をして妊娠・出産するのは死亡するリスクが高まります。体が未発達な状態なので無事に出産できても病気にかかることがあり肉体的に問題を抱えてしまいます。

また、ほとんどの場合は結婚がきっかけで学校を退学するため教育が受けられなくなります。夢を叶えることはできず家事と育児に追われる毎日を送ることになるのです。

肉体的だけではなく精神的にも影響があります。暴力や虐待の被害に遭うと無気力になってしまい、辛い毎日をひたすら我慢するしかない状態となります。児童婚がもたらすリスクを詳しく見ていきましょう。

将来のはく奪

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児童婚をさせられた女性は将来をはく奪されることになります。学校へ行くことは許されず友達と遊ぶこともできません。教育的なスキルを習得するチャンスを失うことになるため夢を諦めなければならないのです。

少女たちにも「お医者さんになりたい」や「学校の先生になりたい」といった夢があります。しかし結婚をして学校を辞めさせられた上に若くして子どもを産むため教育を受ける機会を奪われます。

教育よりも料理や家事ができた方が良いとする考えが貧しい国ではいまだに蔓延しています。女性にも教育を受ける権利はあるはずですが理解は進んでいません。

未発達での妊娠・出産による死亡

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肉体的に未発達な状態で妊娠・結婚をすると死亡するリスクが高まります。少女のうちは難産になりやすいため「フィスチュラ」という病気にかかることもあります。

「フィスチュラ」は胎児が産道を圧迫することで産道の一部が壊死して穴が開き膀胱や直腸とつながってしまうもので膣から尿や便が漏れる病気です。手術で治すことはできますが数回の手術が必要で医療費がかかることもあり、あまり受ける人はいません。

家族や地域から排除され自分自身も恥ずかしい気持ちから家に閉じこもってしまいます。心を病んで自殺してしまう女性もいます。

心への影響

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児童婚は多くの場合、親に無理やりさせられるので心に影響を及ぼします。自分の意志とは関係なく好きでもない人との結婚を強要されると将来への希望を無くしてしまいます。

また、暴力や虐待の被害に遭いやすいことから心に深い傷を負う女性も多くいます。夫婦間でも同意がなければ性行為は本来レイプになりますが国によってはレイプに対する罪が非常に軽く13ドルの罰金で済むこともあります。

暴力を振るわれて実家に逃げ帰っても家族は夫のもとへ帰るよう指示をするので、少女たちは味方がいない絶望感に襲われることになるのです。

児童婚の流れ

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多くの場合結婚は両親や親戚同士で決定されるため少女の意見は反映されません。結婚をすると学校へ行くことを禁止されて性行為の強要が始まります。

女性から離婚するのはとても難しく夫を拒否すると自分の家族から非難されることになります。家同士の契約であり、身分の低い女性が決定権を持つことは許されないのです。

夫から暴力を振るわれても家族が助けてくれることはなく少女たちは耐えるか自ら命を絶つしか選択肢がありません。児童婚の流れを詳しく見ていきましょう。

両親または親戚同士で決定される

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結婚は両親や親戚同士で決定されます。結婚をする時に夫が女性側の家族に結納金としてお金や物を提供する風習があるため、条件に見合えば親が勝手に結婚を許可してしまうのです。

アフリカにあるマラウィという国では11歳の少女が強制的に結婚させられた例があります。イニシエーション・キャンプに参加して妊娠したことがきっかけです。

イニシエーション・キャンプとは通過儀礼の手ほどきをするキャンプで早期結婚に備えて少女たちに性行為を覚えさせるものです。11歳の少女は妊娠してしまい結婚するしかなくなりました。

決定後女児に知らされる

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結婚が決まった後に女児に知らされるケースが圧倒的に多いです。バングラディシュでは当時13歳の女の子が結婚式に呼ばれて出かけると実は自分の結婚式だったということがありました。

少女はその日のうちに相手の男の家に連れて行かれ拘束されることになります。暴力は受けなかったものの一日3回レイプされました。バングラディシュでは婚姻関係があればレイプは犯罪になりません。

13歳の少女のことをジャーナリストが記事にしたため保護されることになりましたが男は逮捕されませんでした。女性の地位の低さが児童婚を後押しする形になっています。

学校に行くことを禁止される

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児童婚をすると学校へ行くことを禁止されます。親が勝手に退学させることもあり、教育を受ける機会を奪われてしまいます。

アフリカでは学校へ行くことが中流階級へ上がる手段だとされていて、高校を卒業すれば仕事や企業の情報を知ることができるので教育の機会を奪われてしまうのは大きな問題です。

学校へ行かずに年の離れた男性と結婚すると生活のすべてを頼ることになり逃げ出せなくなります。虐待されるケースも多く学校へ行けないことの弊害は数え切れません。

性行為の強要

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結婚をすると性行為を強要させられます。イエメンでは当時8歳だった女の子が40歳の男と結婚させられ、新婚初夜の性行為が原因で子宮破裂により死亡しました。

男や少女の家族が逮捕されることはなく部族長らは隠ぺいを図ったと伝えられています。他にもアフリカにあるマウライという国では子どもに性行為を教える通過儀礼の慣習があります。

イニシエーションキャンプと呼ばれる通過儀礼のキャンプには10歳を過ぎた少女たちが何も知らされないまま参加します。到着して初めて、男性と寝て子どもの「あか」を払い落とさなければならないと伝えられます。キャンプでHIVに感染することもあり少女たちには何のメリットもありません。

低年齢での出産

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