2019年7月31日 更新

スレンダーマン事件とは?裁判の判決と少女2人のその後とは

インターネット上の架空のキャラクター、スレンダーマンへの憧れから起こった12歳の少女2人による「スレンダーマン刺傷事件」。世界中を驚愕させたこの事件の動機・計画から裁判・判決、また加害者被害者両少女たちのその後に至るまで詳細を紹介します!

クリーピーパスタ・コミュニティは1990年代に誕生したと言われています。コピー&ペーストを通してネット上で拡散される不気味な怪談的な話や画像のほとんどは、ネットユーザーが創作したものです。

架空の話やキャラクターを現実のもののようにリアルに表現し、見た人を怖がらせ、また見る人も怖がることを楽しむこのコミュニティでは、スレンダーマンだけでなく他にも多くのキャラクターや逸話が存在します。しかしその多くは誘拐や自殺、殺人といった陰惨なものです。

スレンダーマンの作者の悲しみ

Man Lonely Park - Free photo on Pixabay (514870)

エリック・クヌーゼン(ネット上ではビクター・サージ)は、2009年にスレンダーマンというキャラクターを創り出しました。フロリダに住む若い父親である彼は、まさか自分が創作したキャラクターが原因で刺傷事件が起こるとは夢にも思っていませんでした。

事件に深く悲しんだエリックは、被害者とその家族に強く同情しているといった内容の声明を発表したものの、その後は一切インタビューなどには応じないと公言しています。

ネットの影響について考えられるように

Exchange Of Ideas Debate - Free image on Pixabay (514872)

インターネット上の架空のキャラクターへの憧れから少女が同級生を死傷するという前代未聞の今回の事件は、インターネットが少年少女に与える影響について、世間に考えさせる大きなきっかけとなりました。

少女たちを逮捕したウォキショー警察署長のラッセル・ジャックは「インターネットは私達の生活を大きく変えた。今回の事件はすべての親にとって目を覚ませという合図である」と、世の中に警鐘を鳴らしました。

現実と虚構の区別がつきにくく、本物よりも本物らしく描かれるインターネット上の逸話や画像を日常的に目にする少年少女は、現実社会での善悪の区別をつけにくくなる可能性があります。そうならないために親は、インターネットと付き合う子供を注意して見ておくことが大切なのです。

スレンダーマンとは

Black And White Creepy Ghost - Free photo on Pixabay (522981)

少女2人による事件によって、ネット上のみならず現実社会でも有名になったスレンダーマンですが、この架空のキャラクターとは具体的にどのような存在なのでしょうか。事件のきっかけとも言えるスレンダーマンについて詳しく解説します。

エリックが生み出した架空のキャラクター

Fantasy City Architecture - Free image on Pixabay (514877)

スレンダーマンとは、2009年にアメリカ人男性エリック・クヌーゼンが創り出したキャラクターです。子供を標的とし、ストーキングや誘拐する恐れがあるとされるそのキャラクターは、異常な長身・無表情もしくはのっぺらぼう・黒いスーツを着用といった容姿の特徴を持ちます。

スレンダーマンがインターネット上に初めて登場したのは2009年6月10日のことでした。黒いスーツに身を包む不気味なスレンダーマンは、子供達が公園で遊んでいる画像の後ろの方に映り込む形で登場しました。

サムシング・オーフル・フォーラム

Wordpress Web Design - Free image on Pixabay (514918)

スレンダーマンの作者エリックがこのキャラクターを創り出したきっかけは、サムシング・オーフル・フォーラム(Something Awful Forums)という利用者が6万人を超えるアメリカのウェブサイトでした。

2009年6月8日に、このサイト上で「Photoshopを通じて超常的な画像を創ろう!」という書き込みのもと、あらゆる人がオリジナルの架空のキャラクターを創作する中、エリックはスレンダーマンを創り出しました。

サムシング・オーフル・フォーラムもCreepypasta Wiki同様ルールは存在しますが、粗暴で恐怖を与えるようなものや、シュールなもの、ブラックジョークの逸話や画像が目立ちます。

目撃者の証言

Eye Iris Look - Free photo on Pixabay (514919)

子供達が遊んでいる中に写り込むというスレンダーマンの最初の登場の後、エリックは子供が誘拐される現場にいた目撃者のような証言を書き込みました。

その書き込みとは「僕たちは行きたくなかったし、僕たちはみんなを殺したくなかったけれど、あいつのいつまでも続く沈黙と伸ばされた腕は僕たちを怯えさせながら同時に安心させた」といった内容のものでした。そしてエリックよるこの書き込みから、この架空のキャラクターはスレンダーマンと名付けられました。

ネットで語られる怪談話となる

Fantasy Spirit Nightmare - Free photo on Pixabay (514920)

こういったスレンダーマンの画像や、彼に関する書き込みはインターネット上で急速に広まりました。コピー&ペーストを繰り返し広まる不気味な画像、クリーピーパスタとしてサイトからサイトへと拡散されるスレンダーマンは、次第に日本の口裂け女のように怪談化、都市伝説化していきました。

また、エリックが創作したスレンダーマンの画像や逸話は、その後多くの別の書き手たちにより姿や逸話を変え増大しました。初めてスレンダーマンが登場してから5ヶ月後には超常現象を扱うラジオでも放送されるなど、スレンダーマンの存在はオカルト好きな一部の人の間では有名になったのです。

子どもを中心に傷をつける

Child Sitting Jeans In The Door - Free photo on Pixabay (514922)

スレンダーマンは人間ではないであろう不気味な身体的特徴のほか、子供を中心に傷つけるという行動的特徴があります。森に住むとされるスレンダーマンは、加害者の少女AとBがなりたかったと証言した「プロキシーズ」という手下を持ち、その手下とともに子供達を執拗に追いかけたり、近づいて誘拐すると言われています。

スレンダーマンに連れて行かれた子供は木に串刺しにされ、臓器を取られるといった不気味で恐ろしい結末を迎えるとされれています。

スレンダーマンの主な能力や動機

Fog Mist Road - Free photo on Pixabay (522979)

森に繋がりがあるとされるスレンダーマンには、瞬間移動の能力があるとされています。また、スレンダーマンの近くにいると鼻血が出る、悪夢や妄想に取り憑かれる、記憶を失ってしまう、咳の発作が起こるといった逸話がネット上では拡散しました。

また、これらのスレンダーマンが原因で起こる症状はスレンダーシックネス(スレンダー病)と言われていました。

スレンダーマンの身体的特徴・能力・子供を襲う動機は、作者エリックが固定化した概念を明記しないまま急速に拡散しました。そのためエリック以外の多数の書き手によってそれらは異なり、結果スレンダーマンには多くの特徴や能力が存在することになりました。

エンダーマンはスレンダーマンが元等の話も

Apple Macbook Laptop - Free photo on Pixabay (515184)

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