2019年9月16日 更新

青木まりこ現象とは?多くの人が体験有り?本屋で便意を催す理由

「古本屋とかしまむらとかに行くと突然おなかがぐるぐる鳴るんです。自分だけですかね?」いいえ、そんなことはありません。海外でも話題になるほど、多くの人が体験するその現象。今回はそのメカニズムを医学的側面も含めてご紹介していきましょう。

最後に、立ち読みの姿勢により青木まりこ現象が起こる得るという説を説明していきましょう。図書館を除いた書店や古本屋では、ほとんどのお店で椅子などが用意されているわけではないために、書籍を手に取って表紙を確かめたり中身を軽く読んで検討したりする時は多くの人が立ち読みになることでしょう。

この「立ち読みの姿勢」が青木まりこ現象を起こす要因であるというのです。なんでも「立ち読みしている際のゆったりとした起立の姿勢で便が下る」という解釈とのこと。

この説は青木まりこ現象を体験した人の意見をもとにされた説であり根拠はありませんが、「長時間書店にいる=立ち読みによって起立の姿勢が長時間続く」ことによるものだという説もあり得なくもないことでしょう。

青木まりこ現象には心理的な原因もある?

Tic Tac Toe Love Heart - Free photo on Pixabay (631806)

青木まりこ現象の様々なメカニズムを前項でご紹介していきましたが、この現象には心理的な原因もあるのではないかという意見も多く見られています。

通常の精神状態ではなく、心理的に変化が起きることによって青木まりこ現象が誘発されるというのです。その心理状況として今回は4つご紹介していきましょう。

緊張感

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緊張感や焦燥感によって青木まりこ現象が起こり得るという説です。この説には複数の物書きの人々が意見を寄せています。

エッセイストの石橋真理子氏は、書店に入ることで視界に「情報の洪水」が飛び込み、そのせいで緊張して便意が誘発されると述べている他、小説家の小池真理子氏は「知が集められた神聖な場所にいるときに引き起こされる緊張感が腸の蠕動運動を促す」という説を提示しています。

また同じく小説家の浅田次郎氏は「活字に対する精神的プレッシャーが青木まりこ現象の原因」との意見を述べています。加えて1998年のテレビ番組「ウンナンのホントのトコロ」(1998年10月28日放送)にて小説家で作詞家のいとうせいこう氏は、「買うものを決めなくてはいけない」という焦燥感が便意を催すという仮説を立てているなど、多くの物書きの人々が緊張感や焦燥感から青木まりこ現象を体験しているのです。

リラックス効果

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緊張感や焦燥感、不安などの心理的負荷とは反対に、書店がもつリラックス効果が便通を促すという解釈があります。

精神科医の酒井和夫氏が、本当のことはわからないながらも「書店という非日常的な空間で好きな本を探す行為が心身をリラックスさせ、便意をもよおすのでは」と予想を述べています。

一方、精神科医のゆうきゆう氏によると「本を読むと眠たくなる」という経験的事実から書店が有するリラックス効果を証左し、嗅覚や運動といった外部からの刺激と心理的な要素がリラックス効果をもたらし、自律神経が副交感神経優位になることで、腸の蠕動や膀胱の収縮が促進されるという説を有力視しています。

不安障害

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こちらは、便意に関して不安を感じることにより心理的に負荷がかかり青木まりこ現象が起こり得るという説です。

具体的には、書店を来店した上で「トイレがない状況で、もしトイレに行きたくなったらどうしよう」という精神的プレッシャーが、かえって排便に対しての意識を強くさせるというのです。

このようなプレッシャーは、精神医学において「予期不安」と称され、パニック障害をはじめとする不安障害に特徴的な症状になります。精神科医の墨岡孝氏も「便意に対する不安」を訴える患者を、不安障害の一種である不安神経症と診断することがあると言います。

ソマティックマーカー仮説

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評論家の高橋恭一氏がソマティック・マーカー仮説によって青木まりこ現象が起こり得ると述べています。

そもそもソマティック・マーカー仮説はとはアメリカの神経科医のアントニオ・ダマシオ氏が提唱した「身体化された情動が意思決定に影響を与える」という仮説のことを指します。

ソマティク・マーカー仮説によれば、青木まりこ現象とは「過剰な情報から身体が無意識に逃避しようとしている状態」であるというのです。情報化が進んだ現代社会において、多すぎる情報が身体に害を与えているということになります。

青木まりこ現象の対策

Books Bookshelf Library - Free photo on Pixabay (631813)

以上のように様々な要因から引き起こされる青木まりこ現象ですが、「突然書店で便意を感じる」のはなかなかに困るものです。

事前に便意がなくとも、トイレを済ませていようとも「起きる時は起きる」という青木まりこ現象。とはいえ書店に行くのを辞めるわかにもいかない状況で、どうすれば対策できるか微力ながらもご紹介していきましょう。

トイレの場所を確認しておく

Wc Barrier Free Toilet Disabled - Free photo on Pixabay (636128)

最も重要と言える対策は、トイレの場所を確認しておくことです。様々な解釈が存在し、特定の要因を有しない青木まりこ現象を事前に阻止することは不可能です。そのため、あらかじめ利用可能なトイレを把握しておくことが重要となります。

「事前に近隣のトイレの位置を確認」「書店の規模やトイレの個室の個数から混雑状況を確認」「店内の混雑状況でトイレ使用中の可能性を想定」「トイレが無い書店の場合は店外のトイレの位置を確認」など、最新の注意を払って入店することで急な青木まりこ現象にも対応できます。

実はこのようなニーズに応じる形で、雑誌『散歩の達人』(2005年10月号、交通新聞社)に「青木まりこ現象お助け帖」と称する神保町で利用可能なトイレの清潔度や混雑状況を評価し、独自のトイレマップが掲載されたことがあるほど、この対策は青木まりこ現象を体験する人々にとって非常に重要なものであることが分かります。

滞在時間をなるべく短縮する

Time Timer Clock - Free photo on Pixabay (636135)

冒頭で紹介したように、青木まりこさん曰く「長時間本屋にいると」あるいは「長時間新しい本の匂いをかいでいると」一連の症状は誘発されるといいます。

そのため、滞在時間をなるべく短縮することで青木まりこ現象が発生する確立をできるだけ下げることがおすすめです。入店後は、目的の書籍の購入を早く済ませ、すぐに書店から出ましょう。

形成外科医の松尾清氏によると、30分以内がよいという目安が提示されています。しかし、目的の書籍が複数ある時や初めての書店の場合はすぐに退店するのが難しいでしょう。購入の前にあらかじめ書店内をおおまかに把握しておくのも良いかもしれません。

便秘解消法として有効活用

Belly Heart Love - Free photo on Pixabay (636140)

青木まりこ現象への対策を通り越し、いっそこの現象を有効利用するというのも悪くはないかもしれません。実は青木まりこさん自身が、体験談を投稿した時点でこの現象を既に便秘解消法として利用していたのです。

この現象をいち早く取り上げた週刊文春においても「便秘にお悩みの向きには朗報、となるかもしれない」とコメントされているほど青木まりこ現象を有効活用する動きは早かったのです。

1995年にはテレビ番組「生活ほっとモーニング」(1995年7月26日放送、NHK総合)にて、「便秘解消に役立つ方法」として紹介されたこともあります。事前にトイレの位置をしっかりと把握しておけば焦ってトイレを探すことも無く、便秘の人にとっては費用も掛からない健康的な便秘解消法になることでしょう。

投稿者青木まりこの情報

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