2019年9月16日 更新

青木まりこ現象とは?多くの人が体験有り?本屋で便意を催す理由

「古本屋とかしまむらとかに行くと突然おなかがぐるぐる鳴るんです。自分だけですかね?」いいえ、そんなことはありません。海外でも話題になるほど、多くの人が体験するその現象。今回はそのメカニズムを医学的側面も含めてご紹介していきましょう。

青木まりこ現象とは、「書店に関連した原因不明の便意」という症状によって表現されています。しかし、これに関して「青木まりこ現象」という名の一つの疾患があるわけではありません。

精神科医の中沢正夫氏(1985年)や酒井和夫氏(2003年)は「明らかな原因は不明だが少なくとも“書店での便意”は病気ではない」と結論づけています。また、臨床心理士の笠原敏雄氏(2010年)は、経験者のほとんどが病院やクリニックを受診しないであろう青木まりこ現象は、病気とはみなさないとしています。

以上のことから、青木まりこ現象はその現象があるという認知はされていても医学的に認められているわけではないことがわかります。とはいえ、「トイレに行きたくなる」という症状の背景に他の疾患が隠れている可能性もああるため、必要であれば病院での診察をすすめる医師もいるのです。

青木まりこ現象に対する海外の反応

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日本国民の多くが体験している青木まりこ現象ですが、この現象は日本国内のみのものなのでしょうか?日本国内ではこの現象の発生率に地域差は無いのですから、海外も同様の現象が起こり得るはずです。

次からはそんな青木まりこ現象に対する海外の反応を見ていきましょう。

青木まりこ現象の英語表現

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青木まりこ現象を英語にすると「Mariko Aoki phenomenon」と表現されます。また、この現象について英語では以下のように説明がなされています。「The Mariko Aoki phenomenon is a Japanese expression referring to an urge to defecate that is suddenly felt after entering bookstores.」

名前は青木まりこさんそのままで使われているこの現象ですが、どうやらアメリカでも症例があるようです。ちなみに「Barnes & Noble」というアメリカ最大の書店のチェーンにて発生することが多いという意見もあります。

海外の反応

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青木まりこ現象が海外向けに英語で説明されたのち、海外の人たちはどのような反応を示したのでしょうか?その多くはやはり「自分にも身に覚えがある!」といったような内容だったのです。

「俺はこれを経験したことがあるからとてもよく分かる」「俺も本屋で便意を感じるけど、試着室でも感じる」「毎回起こる現象なんだけど、レンタル店で必ずと言っていいほど便意を感じる」など、日本に限らず同様のことが海外でも起こっています。

青木まりこ現象のメカニズム

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青木まりこ現象のメカニズムについて、これまで多くの識者が検討を重ね、様々な議論を繰り広げてきたが、現在のところそれらの見解が一致したものは未だにありません。

そもそも、青木まりこ現象が何故起きるのかという問題に関して科学的な検証が試みられることはこれまでほとんどなかったために、識者の多くが主観的判断に基づく各々の自説を主張するところに留まっているのです。

今回はそんな各説について、現在出ているものをご紹介しましょぅ。

匂い刺激説

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まずは匂い刺激説について説明していきましょう。これは紙やインクなどの紙を構成する何らかの物質の匂いが、身体への刺激となって便意を誘発させるという説です。この説は古くから存在しており、青木まりこ現象に関する様々なメカニズムの中でも主流の説とされています。

WEB上でも有力な説として根強いのですが、実際のところは否定的な意見も多いものです。というのも、1998年から1999年にかけてテレビ番組「ウンナンのホントのトコロ」(TBSテレビ)でインクの匂いが便意を誘発させるかどうかという実験がされましたが、この説を裏付ける結果は出ませんでした。

また、哲学者の土屋賢二氏が自身の実験で、配達したての新聞紙と購入直後の書籍を用意し、それぞれを自分の顔に覆って10分間深呼吸をするという実験を2006年に試みていますが、結局便意は現れていないため匂い刺激説の確固たる根拠は無いのです。

排便習慣説

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次は排便習慣説について説明していきましょう。とある条件下で便意を生じるという条件反射によるメカニズムです。

「いつも家のトイレで本を読むから」という習慣のもと青木まりこ現象が起こるという説などがそれにあたります。精神科医の三島和夫氏は、トイレで読書をするうちに「読書によって排便が起きる」という条件付けが身体に習慣として馴染んだ人が青木まりこ現象の起こり得る人なのだろうという解釈をしています。

この習慣によって、中には「何か読まないと便が出ない」という人もいるほど。ただ、すべての青木まりこ現象の体験者がトイレで本を読む習慣があるわけでないので、一元的な説明にはならないという反論もあります。

過敏反応説

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次は過敏反応説について説明していきましょう。精神科医の中沢正夫氏は1985年の『本の雑誌』編集部の取材を受けた際に、青木まりこ現象の一連の症状について自律神経の「過敏反応」という語を用いて説明しています。

この「過敏反応」とは、とある状況において本人の意識にかかわらず身体が条件反射的に便意を催すというものです。例えば「冷たい牛乳を見る」と「お腹が緩くなる」といったものが考えられます。

青木まりこ現象についてもこのように同様のメカニズムが関与しているのではないかと示唆されていますが、詳しいことに関しては検証がなされていません。

思い込み説

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次に思い込み説について説明していきましょう。これはその名の通り、人から聞いた話から自分もそうなると思い込むことによって青木まりこ現象が起こり得るという解釈になります。

この現象の名付け親ともなった青木まりこさんは、当初「書店における便意」について懐疑的だったのですが、彼女の親友から話を聞いてまもなく症状が出現したとされています。このようにこの現象は人から人へと伝播する傾向があることが当初より知られていました。

消化器外科医の井戸政佳氏が著書『なぜ本屋にいるともよおすのか』(2012年、有峰書店)の中で、「過去に便意を催した経験と期待」、「他の多くの人も経験したという裏づけ」、「他の人のように出るという思い込み」が条件反射的に心身に影響を及ぼすことが青木まりこ現象にも言えるのではないか解釈しているのです。

幼少期のトラウマ説

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次は幼少期のトラウマ説について説明していきましょう。こちらもその名の通り、幼少期に起こったトラウマによって、青木まりこ現象が起こる得るというものです。

この説は、1998年から1999年にかけてテレビ番組「ウンナンのホントのトコロ」で行われた討論にて紹介されました。青木まりこ現象のように突然条件反射的に便意が生じるのは、幼少期に体験したトラウマが関係するかもしれないという説が提示されたのです。

具体的には、公衆の面前で便失禁をしてしまい、酷く恥をかいてしまったという幼少期の記憶がフラッシュバックすることで青木まりこ現象が起こり得るというものです。しかし、この説を紹介した心理学者はすぐにこの説に関して「苦しい説明である」とコメントしているあたり、想像の域を出ない解釈であることがわかるでしょう。

立ち読みの姿勢

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