2019年3月20日 更新

木乃伊の読み方や語源は?木乃伊と書く理由や木乃伊の豆知識も

「木乃伊」という漢字をみて、読み方がすぐにわかる人は少ないでしょう。これは乾燥され人の死体、そうアレのことです。ホラー映画にも登場します。エジプトのものが有名です。もう分かりましたか。語源やなぜ作られたかなど「木乃伊」も謎や魅力を探ってみましょう。

目次

1997年にオープンした新しい博物館なので展示も丁寧にしてあり小綺麗で洗練されていますがミイラ好きは必見の場所です。博物館の中は狭めで展示物の数も少ない方ですが、入ってすぐの壁面には木乃伊の作り方を説明した図が展示してあります。

遺跡の壁画などに描かれているアヌビス神がミイラを作っているところや、墓に収める調度品を職人が作っているところ、商売の泣き女たちや木乃伊作りの仕上げに行われる木乃伊の口を開ける「口開けの儀式」などの興味深い絵が描かれています。人間の木乃伊の他にも猫、トキ、魚、牛、ワニ、子ワニなど神として崇拝され木乃伊にされた様々な動物たちが展示されています。

人間のミイラは一体は体が折り曲げられたまま、もう一体は包帯をすべて取り去った顔まで分かるミイラです。ミイラを作る際のノミやのこぎりや鼻の穴から脳みそをかき出した器具などミイラ作りの道具、木乃伊と一緒に包帯で巻かれていた護符、木乃伊の内臓を納めるカノピス壺、木乃伊に詰めた香辛料なども展示しています。木乃伊についての知識を深めることができる展示が魅力の博物館となっています。

大英博物館

Museum Roof Architecture - Free photo on Pixabay (111463)

1753年創設の世界最古の国立博物館です。年間来館者数は600万人、所蔵品はなんと800万点以上という桁違いの巨大さです。エジプト部門に関してはロゼッタ・ストーンをはじめ10万点以上という世界でも指折りの所蔵数で有名です。

大英博物館では世界で最も古い時代の木乃伊を筆頭に3部屋に渡って数多くの木乃伊が展示されています。紀元前3100年頃の「ジンジャー」の木乃伊はほぼ完全な形で残されていますし、紀元前1000年頃の「女祭司のミイラ」は最高水準の木乃伊製造技術によってつくられたものとして学術的価値も高い木乃伊として評価されています。

また人間の木乃伊だけでなく猫の木乃伊なども幅広く展示されています。

木乃伊と言えばエジプト!エジプトで有名な木乃伊と言えば?

Nefertiti The Wife Of King - Free photo on Pixabay (111471)

木乃伊と聞いて多くの人が頭に思い浮かべるのはやはり古代エジプトのファラオの木乃伊ではないでしょうか。数あるエジプトの木乃伊の中でも特に有名な木乃伊を紹介していきましょう。

ツタンカーメン

Tutankhamen Gold Egypt - Free photo on Pixabay (111474)

エジプトのファラオの木乃伊の中でも最も有名なのはツタンカーメンの木乃伊ではないでしょうか。ツタンカーメンの木乃伊は王家の谷にあるツタンカーメン王の墓から考古学者のハワード・カーターによって発見・発掘されました。

ツタンカーメンの墓はファラオの墓としては珍しく3000年以上盗掘を受け手おらず有名な黄金のマスクなどの副葬品がほぼ完全なカタチで見つかりました。ただツタンカーメンの木乃伊自体は防腐処理の樹脂が化学反応を起こしたために状態が劣悪であったうえに、発見されたときにかなり手荒に包帯を解かれその後の保存も放置状態だったために、残念なことに状態は良くはありません。

セティ1世

Mural Egypt Pharaonic - Free photo on Pixabay (111476)

カイロのエジプト考古学博物館に保存されているセティ1世の木乃伊は防腐処理の際に塗られた樹脂が黒く変色してはいますが非常に保存状態が良く顔は生きた人間のように見えます。

ただ顔の保存状態は良いのですが体の部分は悪く布で覆いをかけた状態で展示されています。木乃伊の中に脳が残されており 内臓を取り出し戻す時に間違えたことで心臓が右側にあります。また、腹部の中には樹脂に浸した布が塊で詰め込まれたままになっています。

ラムセス2世

Egypt Abu Simbel Pharaohs - Free photo on Pixabay (111487)

カイロのエジプト考古学博物館に収められているラムセス2世の木乃伊は身長173cm、ミイラに残っていた頭髪の毛根から髪の色は赤色であったと推定されています。 ラムセス2世のミイラはテーベ大司祭パネジュウム2世の家族墓で見つかりましたが、これまでに2回埋め直されているようです。

木乃伊は見事な鷲鼻をしていますが、X線で確認したところ鼻の形を保つため中にコショウ粒が詰め込まれていることが判明しました。過去に修復のためフランスに送られたとされていますが状態は良くありません。

ハトシェプスト女王

Replica Of Tutankhamun'S Treasure - Free photo on Pixabay (111478)

1903年にハワード・カーターらにより王家の谷の「KV60」と呼ばれる小さな墓で発見された身元不明の肥満体の木乃伊は、発見したときには名前が分かるものを身につけていなかったため重要なものと考えられずに墓の中に置き去りにされていました。

しかしハトシェプストの名前が刻まれたカノプス壺が別の場所で発掘され、そこに入っていた臼歯とミイラの歯茎の穴をCTスキャンしたものが一致したなどの調査で、この木乃伊がハトシェプストのものであると断定されました。前髪は剃られていたが後ろ髪はふさふさとしていて胸が非常に大きいといわれています。

ハトシェプストの名前の意味は「最も高貴なる女性」で、旧約聖書の「出エジプト記」でモーゼを拾って育てた義母はハトシェプストであると言われています。

どうやって作った?古代エジプトの木乃伊の作り方

Sarcophagus Egypt Egyptian - Free vector graphic on Pixabay (111506)

古代エジプトの歴代のファラオの木乃伊をみて感心するのは当時の防腐処置技術のレベルの高さです。そのおかげで5000年前の人間のDNAの研究や死因の解明が可能となりました。古代エジプトではいったいどのように木乃伊を作っていたのでしょうか。見ていきましょう。

遺体を洗浄して内臓を取り出す

Dentist Tool Dental - Free photo on Pixabay (111530)

まずはブラシのような物で遺体の汚れをくまなく落とします。遺体の肝臓、胃、腸には消化酵素やバクテリアが含まれていて死んだ直後から死体の内部で腐敗が始まってしまいます、そのため洗浄した遺体の脇腹や下半身を切開しすばやく内臓を取り出していきます。

一番に腐敗する脳は先の尖った器具を頭蓋骨の中に差し込んで脳をぐちゃぐちゃかき回し鼻から流し出し、その後に樹液を流し込んでいました。

天然炭酸ナトリウムに漬ける

People Hands Bubbles - Free photo on Pixabay (111545)

天然炭酸ナトリウムにはバクテリアを殺し腐敗を防ぐ働きがあります。しかも脂肪細胞でできた腹膜を硬くして石鹸のような物質に変えるので死体の構造が守られると当時の聖職者達は知っていたのです。

内臓の処理を終えると内臓を抜いた空洞に天然炭酸ナトリウムを浸した布や袋を詰め込んで、表皮を保存するために死体を天然炭酸ナトリウムに35日以上浸けました

乾燥させる

Fish More Dried - Free photo on Pixabay (111561)

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