2022年9月30日 更新

焼死は最も苦しい死に方?焼死の痛みと生き残った場合に待ち受ける地獄の日々とは

火災事故や焼身自殺のニュースを見ると、焼死ってどんな痛みなんだろうと疑問を感じますね。焼死は、最も苦しい死に方の一つと聞きます。そこで今回は、焼死の痛みについて詳しく解説します。焼死は死の直前まで苦しい死に方ですが、それ以上に生き残ったほうが悲惨な場合も…。

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近年発生した火災事件の中で最も大きいのが、京都アニメーション放火殺人事件。アニメーション制作会社にガソリンをまき放火し、70人もの死傷者を出した事件です。社員36人が死亡し、33人が重軽傷を負いました。

犠牲者の死因で最も多かったのが、焼死。22人もの人々が、建物3階を中心に亡くなっていました。次いで多かったのは、一酸化中毒死で5人です。建物2階にいた11人は、1箇所の窓際で死亡していました。火災の熱で窓が割れるまで脱出できず、窓際で力尽きたと考えられています。

正面玄関付近で倒れていた24歳の女性は病院に運ばれ、賢明な処置が行われていました。しかし数か月後、火傷による感染症を起因とした敗血症で亡くなっています。火災事故や焼死未遂は、その場で生き残ったとしても安心ではないのです。

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焼身自殺は助かる確率が高い

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ここまでは、主に火災現場での焼死事例について解説してきました。次に解説するのは、自ら望んで行った焼身自殺の事例。不慮の事故や故意の火災現場ではなく、自ら火を放ち炎の中に留まろうとする焼身自殺の場合は、事故・事件よりも助かる確率が高くなります。なぜ焼身自殺は、助かる確率が高いのでしょうか。

人の体は燃えにくい

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焼身自殺を計った場合、不慮の事故や故意の火災よりも助かる確率が高くなると言われています。その理由は、人の体が非常に燃えにくいから。ガソリンや灯油など、可燃性の高い液体を使ったとしても、人の体は簡単に燃えきりません。

場合によっては激しく燃え上がることもありますが、道端で人が燃えていれば周囲の人々がほおっておくわけもないですよね。そのため燃え盛る前に救助が入り、助かる確率も高くなるのです。日本で最も最近発生した焼身自殺事例は、2014年6月。

東京都新宿区で1人の男性が、政治的思想を約1時間披露し、その後ガソリンのような液体をかぶり自らの体に火を放ちました。男性は駆け付けたレスキュー隊員に救助され、一命をとりとめました。どの程度の火傷だったのか、また一命をとりとめた後の様子は詳しく報道されていません。

苦しさのあまり途中で断念する人が多い

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焼身自殺が未遂に終わる背景には、焼死の苦しさが関係しています。つまり、あまりにも苦しすぎて、途中で断念する人が少なくないのです。人の体は簡単に燃えないため、長時間高温を維持し続けなければなりません。その間、ずっと悶えるような苦しみを味わい続けるため、途中で周囲に助けを求める事例もあるのです。

またこうした焼身自殺事例は、あまり積極的に報道されません。その理由は、自殺の助長に繋がる恐れがあるから…。前項でご紹介した新宿焼身自殺未遂も、大々的に報道されることはありませんでした。焼身自殺未遂を起こした男性が政治的思想を披露していたことから、言論統制や何かしらの圧力が疑われましたが、そうではありません。

世界保健機関(WHO)が発行している自殺と報道に関する手引きには、自殺報道が自殺者を引き上げる見解が記されています。そのため日本の報道機関は、自殺関連ニュースを積極的に報道しない報道規制を採用しているのです。

焼死せず生き残った場合に待ち受ける地獄

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焼身自殺が未遂に終わり一命をとりとめたとしても、その後にも大きな苦痛が待ち受けています。これは、不慮の事故や故意の火災事件で生き残った人物にも同様に訪れる地獄です。

ここからは、焼死せず生き残った人物に待ち受ける地獄の一例をご紹介します。人によって、これからご紹介する事例以外にも様々な苦難が待ち受けている場合があるので、参考程度に読み進めてみましょう。

熱いものが食べられない

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重度の火傷を負うと、熱いものが食べられなくなります。気道の損傷や血液・臓器の損傷が要因です。また場合によっては、油を使った天ぷらや唐揚げなどが食べられなくなる可能性も…。食べ物に多くの制限がついてしまい、長く苦しい治療が必要になります。

体温調節ができない

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火傷により体の内部や表面組織が傷つくと、体温調節が上手くできなくなります。常に体に熱を持った状態になったり、熱いと感じているのに体内は冷えきったままで体調に不調をきたすようになるのです。

大人気漫画”るろうに剣心”に登場する志々雄真実も、全身やけどにより体温調節ができない人物として紹介されていました。志々雄真実ほど広範囲に火傷を負った場合は、本来であれば死亡していても不思議はないでしょう。

一生残る傷跡

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火傷を負った場合、レベルによっては一生残る傷跡になってしまいます。火傷のレベルは大きく分けて3段階。

・Ⅰ度・・・表皮より浅く傷跡が残らない
・Ⅱ度・・・表皮、真皮を損傷し傷跡が残る場合と残らない場合がある
・Ⅲ度・・・皮膚全層や皮下組織まで損傷し傷跡が残る

Ⅲ度の火傷は、皮膚だけではなく脂肪や筋肉まで火傷が進行している状態です。治療には1カ月以上の期間を要しますし、手術等の外科的専門治療も必要になります。また治療が完了したとしても、整形手術等を受けない限り傷跡が一生残ってしまうのです。広範囲にⅢ度の火傷を負った場合、それだけ広い部位に火傷跡が残ることになります。

機能的障害

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重度の火傷は、低たんぱく血症や低容量性ショックなど様々な機能的障害を引き起こします。脳の水腫や軟化、心筋変性などを誘発し、死亡するケースもあるのです。また、火傷の傷口から細菌感染を引き起こし、感染症により死亡する事例も…。

火傷により皮膚のバリア機能が著しく低下しているため、通常であれば感染しない細菌にも感染・悪化しやすいのです。細菌感染が原因で、多臓器不全で死亡する事例も少なくありません。

失明の可能性

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目は体外に露出した非常にデリケートな部位。火傷により角膜や粘膜などを損傷した場合、失明する可能性もゼロではないのです。白目部分は再生能力があるので回復する可能性もありますが、広範囲の角膜損傷は非常に危険。失明しないまでも、視界が狭まったり濁って見えるなど後遺症が残ってしまいます。

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