2019年3月22日 更新

読唇術のやり方や練習方法!聴覚障害者は使いこなせる?

スパイ映画や忍者を見て読唇術に憧れた方もいるのではないでしょうか?今回は読唇術とそのやり方や練習方法、聴覚障害者と読唇術、読心術との違いについてご紹介します。読唇術を習得することで、コミュニケーションの幅が広がり、あなたの日常が変わるかもしれません!

次に読唇術の精度や正確さについてご紹介します。

読唇術は正確なのか

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唇の動きだけで相手が話している内容を読み取る読唇術の精度は、プロであったとしても平均で52パーセント程度と言われています。つまり、約半分は相手の言っていることが読み取れて、残りの半分は読み取れていないということです。こうしたことがなぜ起こるのかというと、読唇術を行う際、読み取り手は相手の発する言葉を単語単位で読み取っているわけではなく、話の文脈から読み取れなかった部分を推測して補っているからです。

ダルビッシュ有選手も完全否定していた

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テレビ朝日系列に「ゴン中山&ザキヤマのキリトルTV」というバラエティ番組がありました。こちらの番組では、スポーツやアニメなどの映像の一部分を切り取り紹介するのですが、番組最大の特徴は一世一代の大勝負の場面で選手が何を言っていたのかを読唇術で解析し、その場面を切り取って放送するというものでした。

2017年にこちらの番組で夏の甲子園直前スペシャルが放送されたのですが、その際番組では東北高校時代のダルビッシュ有選手に注目し、千葉経済大学付属高校と対戦した際の映像を切り取って放送しました。内容としては2点ビハインドで迎えた延長戦の打席で、チームメートが滑り止めを渡した際、ダルビッシュ有選手が笑顔で「最後かな。ドキドキするわ」と発言したと読唇術で解析したものでした。

しかし、ダルビッシュ有選手は番組の読唇術の解析に対し「絶対に言ってないです」と完全否定、さらに「前にWBCの時の城島さんとの会話を確認してくださいと言われて見たことあったけど、全く違くて読唇術って信用できないなと思いました」と発言していました。

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番組内では「読唇術は口の動きなどから言葉を推測するものです」と説明していたとのことですが、この一件以来こちらの番組の制作や収録は行われていないようです。

読唇術で人工知能が人間を超えた

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読唇術で人工知能が人間を超えたというのは驚きですが、実際の研究結果で人工知能の正解率が人間を超えたというのが証明されているようです。

これはグーグルの人工知能開発部門とイギリスのオックスフォード大学の研究で、人工知能にテレビ放送で読唇術を学習させた結果、実際に話されている内容の46.8パーセントを正確に読み取ることができたというもので、同じように人間のプロが映像を読唇したところ、正解率は全体の12.4パーセントだったのだそうです。いかに人工知能の精度が高いかということを表す研究結果になりました。

また、別の研究チームが開発したソフトでは、人工知能がボランティアの人があらかじめ決められた文章を話す様子を撮影した映像を読唇し、93.4パーセントという正解率を出したのでそうです。こちらの映像でも同じように人間のプロが読唇を行ったようですが、正答率は52.3パーセントと、やはり人工知能が人間を超える結果を証明しています。

日本語って難しい!読唇術で分かりにくい言葉

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日本語には口の形は同じなのに発音が異なる同口形異音語があります。例えば、笹と無料(タダ)、煙草と卵、熊と馬、ママとパパなど「さ、ざ、た、だ、な、ま、ぱ、ば」の音の組み合わせによって、同じ口の動きなのに、発音が全く異なる言葉が多数存在するのです。また、口の動きからだけでは判別できない父(ちち)、獅子(しし)、機器(きき)などの言葉や発音は同じなのに意味が異なる同音異義語(例、移動、異動、異動)などが多数存在します。

聴覚障害者の方は、読み取りずらい単語に関しては会話の文脈から予測して読話を行っていますが、こうした日本語の難しさが、読唇術をテレビや映画の世界だけの特別なものにしてしまっているようです。

現在は読唇術より手話が一般的

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難聴者やろう者がコミュニケーション手段として用いている方法には読唇術(読話)の他に口話と手話があります。口話とは補聴器などを使用して残存している聴力を活用し話す方法です。長らく主流とされてきましたが、難聴者やろう者の中には、色々努力しても正しい発音が困難な人が多く、また読唇術は習得が難しく精度も低いため、最近では手話が一般的なようです。

手話とは、手や指の動きと表情、身振りなどを合わせて用いるコミュニケーション手段です。腕や手指の位置や形、動きに特定の意味があり、ろう者の母国語とも言われています。現在日本の手話の語数は3000から4000と言われていて、手話のできる人を増やし、難聴者やろう者と聴力が正常な人とのコミュニケーションを増やそうという試みが広がっているようです。

最近では、読唇術は手話を行う際、かな文字を指で表す指話法と並んで補助的な役割で活用されることが多いようです。

読心術と間違いやすい言葉「読心術」とは?

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読唇術と間違えやすい読心術についてご説明します。

読心術とは

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読心術とはその名のごとく、相手の表情やしぐさ、体の動きなどから心を読む技術のことをいいます。人の心(感情)を司るのは人間の脳なので、脳(大脳辺縁系)からくる反射的な反応(しぐさ)にその人の本物の感情が現れると言われています。広義では、こういった感覚的な手掛かりを利用して行う場合と、感覚的な手掛かりの全くない状態で心を読むこと(テレパシー)の2つを含んでいるようです。

読心術は相手の目線や体・手の動き、会話のタイミング、話をしている時に相手が物を置く位置、手のひらの状態、こちらが話をしている時の相手の動作などを観察することで、相手の感情を読み取る技術であり、習得することは誰にでも可能なようです。

読心術はどこで役立つ?

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読心術は会社や学校、家庭などあらゆる人間関係で役に立つ技術です。例えば、会社の上司や同僚、部下との関係や、アルバイト先の先輩、後輩との関係など人間関係に悩みはつきものですが、相手の心の動きを読むことにより、好意を抱いてもらい関係性をスムーズにすることも読心術を使用すれば可能とされています。

特に接客・販売などでお客さんと直に対面して物を売るような仕事では、読心術が役立っており、この技術を使用することで売り上げを伸ばしている販売員もいるようです。

読唇術を身につければ日常が変わるかも!

Asia Seductive Bar - Free photo on Pixabay (117330)

ここまで読唇術のやり方や練習方法、似たような技術に読心術があることについてご紹介してきました。読唇術は現在でも聴覚障害者の方のコミュニケーションツールとして使用されています。習得するのに労力がいる技術ではありますが、口話・手話・読話(読唇術)と組み合わせることで会話の幅が広がることがお分かり頂けたのではないかと思います。

読唇術を身に着けることであなたのコミュニケーションの幅が広がり、今まで会話したことのない人と会話が楽しめるようになったり、声が聞こえない距離にいる人やテレビの中の人(スポーツなど)の会話が分かることで見方が変わったり、今までと違う日常が待っているかもしれません。

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