2019年3月22日 更新

読唇術のやり方や練習方法!聴覚障害者は使いこなせる?

スパイ映画や忍者を見て読唇術に憧れた方もいるのではないでしょうか?今回は読唇術とそのやり方や練習方法、聴覚障害者と読唇術、読心術との違いについてご紹介します。読唇術を習得することで、コミュニケーションの幅が広がり、あなたの日常が変わるかもしれません!

読唇術とは?

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今回は、読唇術とそのやり方や練習方法についてご紹介します。

読唇術とは

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読唇術とは、通常は読話と呼ばれ、人の唇の動きから話している内容を読み取る技術のことを指します。十分に声が聞こえない状況で、唇の動きから話している内容を読み取る読唇術は、主に聴覚障害者の方が使用するコミュニケーションツールとして今でも残っています。

読唇術のルーツは、スコットランド生まれの科学者で電話機を発明したグラハム・ベルの父であるメルビル・ベルとされており、読唇術が日本に紹介されたのは、昭和初期と言われています。

読唇術の読み方について

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読唇術は『どくしんじゅつ』あるいは『とくしんじゅつ』と読みます。日本国語大辞典の読唇法の項目には『どくしんほう』あるいは『とくしんほう』とあり、読み方としてはどちらでも良いということでしょう。

日本に漢字が渡ってきた経緯から、漢から伝来した漢字は漢読み、呉から伝来した漢字は呉読みと読み方が分けられており、読唇術の読という漢字は『どく』が呉読み、『とく』が漢読みとなっています。

スパイや忍者には必須の技?

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スパイ映画や忍者が出てくる時代劇やアニメなどで、遠く離れた場所から口の動きで会話を読み取る場面などを見たことがある人もいるでしょう。現実にそんなことが可能なのかと思いますが、つい最近までは日本でも諜報機関による読唇術を用いた工作が行われていたのだそうです。

そのため、窓から見えるところやその近くでは重要な話はしない、携帯電話や固定電話を政府内で使用しないといったことがあったそうです。ただし実際には、読話(読唇術)によって読み取れる内容は限られており、どんなに熟練した読み取り手でも100%内容を読み取れるわけではなく、口の動きだけという視覚的な情報から話しの内容を特定できる確率は30~40パーセント前後と言われています。

今では映画や時代劇などでしか見ることのできない忍者やスパイですが、今のように通信機器も発達していない時代では情報交換や情報収集に読唇術は必須の技だったのかもしれません。

読唇術は聴覚障害者にとって大切な会話の手段

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読唇術(読話)自体は会話がすらすら読み取れるといった魔法の技術ではなく、熟練した読み取り手でも視覚的な情報から人が話している内容を特定できる確率は30~40パーセントと言われています。しかし聴覚障害者の中には読唇術を大切な会話・コミュニケーションの手段として利用している人がいることも事実です。

2017年にTwitterで「聴覚障害者と話すときはマスクで隠さず唇を見せて」というつぶやきが37,000リツイートされ話題になったことがありました。こちらのつぶやきを投稿したのが聴覚障害者4級の女性でした。唇の動きを読んで相手の話している内容を理解しようとする聴覚障害者にとって、唇から得られる視覚情報がいかに大切かが分かります。

読唇術のやり方

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読唇術とは相手の唇の動き(口の開き方)を観察して話している内容を推察する技術ですが、技術ですので出来るようになるには訓練が必要です。まずは「あ、い、う、え、お」の母音を発音した際、どのような唇の動き(口の開き方)をしているのか、違いが判らないと推測することができません。

やり方としては、相手の正面から向かいあって、至近距離で唇の動きを観察します。ただし、日本語には似たような口の開き方をする言葉が沢山ありますから、どの言葉なのかを推測するには、ただ唇の動きを観察するだけではなく、会話の流れから読み取る力が必要になってくるのだそうです。
逆に難聴者やろう者に読話で意思を伝えるときは、相手から1m前後離れた場所で、口の動きがよく見えるよう明るい方に顔を向け、口の動きをはっきりとややゆっくり動かして、相手の言語能力に合わせて話すことが大切とされています。

読唇術を習得したい!練習方法

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スパイ映画や忍者に憧れて読唇術を習得したい、聴覚障害者の方と話をしたい、そんな方に読唇術の学び方をご紹介します。

難聴者の読話教室や勉強会で学べる?

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読唇術(読話)は、主に難聴者や耳の聞こえない方が使うコミュニケーション手段の一つとして用いられてきました。そのため、難聴者の読話教室や勉強会などに参加して学ぶことが一番の近道のようです。ただし、地域によって教室を開催している所といない所がありますので、事前に調べておく必要はあります。

ある程度のレベルまで達すると、ボランティアスタッフとして活動することもできるようですから、読唇術を習得したい、読唇術でコミュニケーションをとりたい、読唇術に興味のある方は一度調べてみるといいかもしれません。

余談ですが、最近ではゲーム感覚で読唇術を学ぶことのできるアプリも登場しています。『Read My Quips』というアプリで、雑音のなかで話す人の動画を見ながら、口の動きを見て、その人が何を言っているのか当てていくゲームです。練習を重ねながら難易度も上げていくことが出来るので、読唇術を習得したい方にはおすめのアプリです。

難聴者でも難しい

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日本語には視覚的に口の動きや形は同じでも、タバコやタマゴといった同口形異音語や同音異義語が多く、唇の動きからだけでは判別できない音(キ・シ・ジ・チ・ニ・リ)などがあります。ですので、相手の口の動きだけ見て会話の内容を理解するのは実際には難しいと言われています。

また、人によって口の動きが曖昧なことが多く、難聴者やろう者の場合は声の大きさや高さ、言葉の抑揚などから推測することが困難なため、目で見ただけでは分からないことの方が多いようです。

毎日のように読唇術を行っている難聴者が、補聴器などから聞き取れる言葉を参考にしつつ、読話の内容をしっかりと理解した上で、発話者がゆっくりと口を動かして話すのを至近距離で読み取ったとしても、内容を100パーセント理解するのは困難と言われています。難聴者にとって読唇術を完全にマスターすることは、とても根気と労力がいることなのですね。

読唇術の精度はどれくらい?

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