2019年8月19日 更新

集団心理は危険?集団心理が引き起こした事件や実験とは

「日本人は集団的主義だ」「女性は集団行動が好きだ」など集団についての通説は多々あります。集団において特別な心理が働くことを集団心理・群集心理と呼び、時として大きな力を発揮します。その怖さをメリットとともに例と実験を挙げてご紹介いたします。

集団になると冷静な判断ができずに暗示にかかりやすくなります。例えば駅近くの大きな会場でイベントが行われた場合、終了と同時に群衆は駅に流れて行きます。

自分で道を把握していなくても疑問にも思わず群衆の流れに身を任せて駅まで向かってしまいます。これは「みんなが向かっているから駅はあっちにある」という暗示にかかっているからです。

火災が起こった場合も、出口はいくつもあるにも関わらず、冷静な判断ができずにひとつの出口に殺到してしまいます。パニックになっているのも手伝い、周りと同じ行動をとってしまいます。

単純化する思考

People Women Talking - Free photo on Pixabay (370618)

集団の中で個性を持っていることは煙たがられる存在になります。集団の中でうまくやっていきたいのであれば、個人の考えは捨てて、集団の行動に従うことが適切だと考えます。

どこへ旅行するか決めるとき、一人であればきちんと思慮し、自分の欲求が一番満たされるところを選ぼうとします。ですが集団においては、みんなが海へ行きたいといえば、たとえ海に興味がなくても行こう!と思えるようになってしまいます。

自分の考えを持たないことで思考も単純化し、集団が間違った方向へ進んでいったとしても異論を唱えることができなくなってしまいます。

感情の動揺

People Hands Achievement - Free photo on Pixabay (370619)

あまり興味のないスポーツであっても、実際に試合を目の前にすると、選手の気迫、サポーターの熱気に影響され、いつの間にか自分も夢中になって応援してしまっている、という話はよくある話ですし、経験した人も多いでしょう。

集団が興奮状態に陥っているときは、自分ひとりだけ冷静でいることは難しくなります。周りの状況に飲み込まれて自分もいつの間にか興奮状態に陥ってしまうのです。感情がひとりでいる時よりも揺さぶられやすく、感情の起伏も激しくなります。

2-6-2の法則

Bonding Casual College - Free photo on Pixabay (370621)

「2-6-2の法則とはこれは集団において2割が優秀、6割が普通、2割が劣等と分けることができる比率のことです。実際に自然界に生きるアリの世界で2-6-2の法則が実証されていることから「働きアリの法則」とも言われています。

簡単な例が高校でしょう。中学校までは義務教育で公立中学校に通っていた生徒たちが、高校進学時は自分のレベルに適した高校を選択し進学をします。
People Hands Dancing - Free photo on Pixabay (370622)

同等レベルの生徒が集まるはずの高校においても、その中で優秀生と劣等生に次第に分かれていきます。入学してすぐのテストでは差があまりなくても、卒業する頃にはその差は歴然。

これは、集団において「誰かがやるなら自分はやらなくても良い」「ダメな人がいるから自分がやる」といった住み分けをすることで集団としてバランスがとれるからです。これも集団心理のひとつです。

集団心理の特性

Concert Crowd Audience - Free photo on Pixabay (370623)

集団になることで人間が陥る法則について見てきましたが、集団心理の法則のように行動してしまうのは集団心理にある特性が影響していると言えます。

集団心理の特性が働くことにより、人は自分ではないものへと変えられてしまうのです。その特性について詳しく解説していきます。

匿名性がある

Three Women Fashion - Free photo on Pixabay (370625)

群れて行動をすることによって、自分の責任を最大限に小さく、且つ紛れさせることができます。個人であれば自分の行動や発言すべてに責任がのしかかってきます。

しかし集団においては誰がどんな発言をしたかは重要ではないため、行動にも発言にも責任を持たなくてよくなるのです。
Pedestrians People Busy - Free photo on Pixabay (370628)

インターネットの掲示板がわかりやすい例です。誰が書き込んでいるのか分からない掲示板には、例え嘘の話を書き込んだとしても個人を咎められることはありません。咎められたとしても「インターネット上のだれか」というだけです。

責任がない代わりに言いたいことが言えます。普段なら嫌われたくない、自分のことをよく思って欲しい、という心理が働き、言いたいけど言わない、ということが、匿名性を纏うことで無敵になってしまうのです。

群れることによる錯覚

Marriage Celebration People - Free photo on Pixabay (370629)

群れることにより自分が美化されてしまう傾向にあります。特定のグループに入ると自分もそのグループの特性にあった一人だと勘違いしてしまうのです。

喧嘩が絶えないグループに所属していると、例え自分が喧嘩に弱くても、自分も喧嘩に強くなった、強者になったと思い込みます。それは強い人は勝ち取った勝利がまるで自分で勝ち取ったものだと錯覚してしまうから。

集団心理には「集団はみんな一緒」だと思い込ませる心理が働くのです。そしてそれは個人で気づくことはなく、グループに属している限り錯覚し続けます。

集団心理の例

Audience Crowd People - Free photo on Pixabay (370631)

集団になると冷静な判断ができず、一種の興奮状態になります。そのため集団が間違っている方向へ向かっていても修正することはありません。

いじめなど

Desperate Sad Depressed - Free photo on Pixabay (370739)

集団心理は集団内において目立つものに対して嫌悪感を持ちます。足並み揃えていたいのに、ひとりだけ別方向を向いていることに対して不快感を抱くのです。そのため集団から少し突出しているといじめの対象になりやすくなります。

いじめの主犯格ではない周囲の人間は、いじめが良くないことだと思っていても「意義を唱えたら今度は自分が標的にされるかもしれない」という恐怖心が働くため意見を言うことができなくなっていきます。

いじめられている人を共通の敵と認識した集団は、善悪の判断が難しくなり、次第にいじめは集団心理が働きエスカレートしていきます。集団外からのアプローチがなければもう止まることはありません。

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