2019年8月3日 更新

パスカルの言葉「人間は考える葦である」の意味は?原文や英語版も

哲学に興味のある方は、パスカルという哲学者の名前を耳にした事がある方も多いでしょう。その名言として、「人間は考える葦である」という言葉について知り、教養を深めたい方に向けて、その意味や原文、英語版、フランス語版など様々な角度からご紹介いたします。

パスカルの定理と原理と三角形

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パスカルの定理は、ブレーズ・パスカルが16歳のときに発見した円錐曲線に関する定理です。これだけ聞いても想像しづらい内容ですが、図形に関する定理だと認識しておきましょう。

一方、パスカルの原理は、静止している流体に加わる圧力はどこでも等しくなるというものです。例えば、自動車のタイヤの空気圧は、どこを測定ポイントとしても同じです。また、その時にかかる圧力は物体に対して常に垂直です。現代でも活用されている原理であることがわかります。

パスカルの三角形は、二項展開における係数を三角形状に並べたもので、こちらもイメージしづらいものですが、ここで押さえておきたい雑学としては、パスカルの名前がついていますが、実際にはパスカルより何世紀も前の数学者たちも研究していたものだという意外性です。

パスカルの名言

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パスカルは「人間は考える葦である」という名言以外にも数多くの名言を残しています。そんな、その他の有名な名言について紹介していきます。

クレオパトラの鼻

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「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう」もしくは、「クレオパトラの鼻。それがもっと低かったなら、大地の全表面は変わっていただろう」という名言です。

このクレオパトラの鼻というのは比喩です。クレオパトラに恋をした英雄がいます。もし恋をしたカエサルやアントニウスがクレオパトラを好きになっていなかったら、エジプトがローマに支配され滅ぶこともなかった、ということがうかがえます。

顔が異なれば、恋をせず、歴史が変わっていたかもしれないというわけです。それほどクレオパトラは、歴史に大きな影響を与えた美女だったのです。

哲学を馬鹿にすること

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「哲学を馬鹿にするものこそ、真に哲学者である。」

パスカルは神学を哲学から分けた上で、神学の方の重要性を説いています。デカルトはこの逆であり、デカルト批判とみる見方もあります。ここでの意味は、哲学の不毛な議論に陥るよりも、神について考えることが大切だ、という意味でもありますが、パスカルが哲学をしないわけではありません。

確実に正しいことはないため、哲学自体を疑うことから、ほんとうの哲学が始まるという意味も含有しています。

人間はつねに、自分に理解できない事柄は何でも

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「人間はつねに、自分に理解できない事柄は何でも否定したがるものである。」という名言です。

これは、だれしも経験があるレベルの話で、人間の習性とも言えます。特に、自分の親から理解されない経験や、新しいことに対して、過去の価値観で考えようとしてしまい、新しいものを排除したり、受け付けないことを意味しています。

最近ですと、仮想通貨などを受け付けない人もたくさんいます。現金主義の人からすると、信用できないわけです。このように、多くの人は、年齢を重ねるにつれて、こうした傾向が強くなっていきます。

考えることが大事

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人間は葦のように折れやすいので、考えることが大事となります。現代の人間は考えることを放棄したり、他人の考えに流されてしまいがちです。自分でしっかりと考えることを忘れてしまっている傾向もよく見受けられます。ここでは、考えることの大切さについて解説いたします。

葦のように弱いから「考える」

Meditation Positive Think - Free image on Pixabay (514178)

人は辛いことや悲しいことがあれば、精神的にもダメージを負いやすい生き物です。ストレスを感じることもあります。同じ過ちを繰り返さないように改善策を練ったり、考え方やとらえ方を変えることで、ストレス耐性を身につけることも可能です。

うつ病患者が増加している現代では、そのような柔軟性を身につけるための思考能力が重視されているため、考えることの大切さが今一度問われている時代であるといえます。その重要性にパスカルも気づいていたのでしょう。

強くあろうとするが故に「考えない」

Woman Afghanistan Ceremony - Free photo on Pixabay (514180)

自分ではどうにもならないこと、自分自身でコントロールできないことは、自身を超越した事象であるため、悩んでも仕方がないこともあります。そのようなことに悩んでいると、解決不可能な内容であるため、ストレスを感じ続けることになってしまいます。

そのため、そういった内容に関しては、良い意味であきらめることも大切です。あえて考えないようにすることも一つの知恵であるといえます。何か好きなことに夢中になっていると、忘れることができますし、どうしても考えてしまうのであれば、納得のいく妥協策を考えるのもよいでしょう。

考えることを忘れてはいけない

Thinking Man Think - Free photo on Pixabay (514179)

以上のことから、どちらにしても、考えることの重要性を改めて実感することができます。人間には、これまでの歴史で培ってきた先人の知恵が残されています。今は存在していない優れた人物の書物や、普通であれば出会うことができない優秀な人の考え方をメディアを通して知ることができます。

すべてを自分自身で考え抜くことは大変ですが、そういった他の人の知恵を借りて、自分でその知恵をどう生かすかを最終的に自分自身で考えるという行為は、いつになっても必要とされる能力だといえます。

奥が深い言葉

Girl English Dictionary - Free photo on Pixabay (514177)

さて、1600年代に存在したパスカルという哲学者の考え方はいかがでしたでしょうか?なかには非常に難解で、ここでは紹介しきれない数式や定理などもあり、はるか昔の人物がそこまで思考する能力があったことに驚きを感じた方もいるでしょう。

奥が深い言葉というのは、色褪せずに現代になっても残っているものです。悩んだときや、迷ったとき、一人で考えてもどうにもならないときは、このような先人の哲学者の言葉に耳を傾けてみるのも、今をよりよく生きるための1つの知恵といえるでしょう。

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