2019年9月19日 更新

福知山線脱線事故のその後!事故前の不可解な現象や心霊体験

600名以上の日常を一瞬で破壊した、福知山線脱線事故。マンションの角に潰れた電車がめり込んだ映像は、今も忘れることが出来ないほど悲惨で壮絶な映像でした。今回は、事故前に不可解な現象を体験した人もいると言われる、福知山線脱線事故のその後や心霊体験を紹介します。

済生会滋賀県病院の救命救急センター長であった長谷貴將(はせたかのぶ)さん(当時51歳)は、福知山線脱線事故の救命活動をしていましたが、事故の1年後に自殺してしまいます。

彼は事故直後から、医師達の現場責任者として懸命に救命救助活動を行っていました。そのことで、取材や講演会などの依頼が相次ぎ、通常業務の他に1ヶ月の3分の1以上は病院外での活動に出掛けていたのです。病院外での活動は、長谷さんが勝手にしていたことではなく、それらの対応を病院側から指示されていたからです。

その為、ただでさえ寝る暇も無いほど人材不足の救命医を続けながら、彼は通常業務後も資料作りなどに追われるようになり、過労状態となっていきました。その上で、病院外での活動も増えたことにより、他の医師達にも負担が掛かり出してしまい、次第に仲間たちから中傷や罵倒をされるようになります。結果、長谷さんはうつ病を発症してしまい、事故の翌年に自殺してしまったのです。

後遺症やPTSDに苦しむ人々

Desperate Sad Depressed - Free photo on Pixabay (639630)

先程も少し触れましたが、列車やバスというのは交通機関の中でも、誰しもが日常的に使用する移動手段です。その為、福知山線脱線事故の被害は、多くの人達に大きな心理的ショックも与えてしまいました。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、強烈なショックや精神的ストレスを体感した時に心に大きなダメージを与え、同じような体験をすると恐怖心に襲われてしまうものです。事故だけではなく、災害や火事、犯罪被害など、日常が非日常になった瞬間、誰しもがPTSDになる可能性があると言えるでしょう。

福知山線脱線事故では、愛する家族を突然失ってしまった遺族や、手足を切断するなどの重傷を負ってしまった被害者とその看病をする家族、そして事故を目撃した人から救助活動を行った人達まで、実に多くの人達が今現在もPTSDで苦しんでいます。

繰り返してはならない史上最悪の列車事故

Station The Crowd Tourism - Free photo on Pixabay (639639)

脱線事故と言えば、福知山線脱線事故のみを思い出す人が多いでしょう。しかし、実は戦前から現在まで合わせると、死亡事故を起こした列車の重大事故はかなりの数があります。

少し例を上げると、1940年(昭和15年)に起きた「西成線列車脱線火災事故」では、脱線衝突と同時に火災が発生し、乗客189名が死亡しています。

また、1962年(昭和37年)に起きた「三河島事故」では、下り本戦で先に脱線してしまった貨物列車に、後ろからきた列車が衝突し為、乗客は速やかに列車から降りて線路上に避難していました。しかし、そこへ上り本戦から列車が高速で突入してしまい、160名の死亡者を出してしまったのです。
Pedestrians People Busy - Free photo on Pixabay (643609)

このような大きな事故が起きる度、鉄道業界は安全対策を行いますが、人が作り人が動かしている以上100%の安全を保障することは難しいのです。福知山線脱線事故に限らず、顧客を奪い合う資本主義の社会では、低価格で高度なサービスを求める客を取り込む為、無理をする企業が増えるのが現実です。

特に日本人は、過剰とも呼べるサービスを要求する傾向があり、デフレが続いたこの20年の間に、各企業は生き残る為、コスパ重視と人材軽視がすっかり定着してしまいました。JR西日本も国鉄から民営化になったことで、私鉄とも争う必要があり、1本でも多くの列車を走らせ、1分でも早く乗り換えが出来るようにと、過密な運行スケジュールで動かしていたのです。乗客達もその利便さを重視し、少しの遅延でもクレームを入れることが多く、その結果運転士達への虐待とも呼べる日勤教育が始まりました。

日本人は終業時間を守らない反面、始業時間だけは頑なに守る傾向があり、今でも台風や地震などで列車が運休や遅延となれば、駅員に掴みかからんばかりの勢いで怒鳴る人も多いのです。遅刻を認めない企業、災害があっても仕事に行こうとするサラリーマン、1円でも安くしろと騒ぐ顧客、1円でも多く儲けようとする企業など、互いに首を絞めあっている状態が現代の日本です。これでは、福知山線で無くとも、安全を100%保つことは難しいでしょう。このような悲しい事故を起こさない為にも、我々はもう少しゆとりを持ち、寛容な社会にしていくことが大切なのかもしれません。

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