2019年8月4日 更新

香田証生さんとは?イラクで殺害されてしまった事件の経緯

香田証生さんはイラク日本人青年殺害事件の被害者です。福岡県に家族5人で暮らしていましたが、旅行目的でイラクに入国した後に拉致されて遺体で発見されました。殺害されたのは自業自得だと言われている理由や事件がモデルである映画、相棒についてご紹介します。

目次

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外務省は国別の危険度レベルを4段階に分けて公表しています。イラクはレベル4で退避勧告が出されていて誰の目にも危険であることは明らかでした。

イラク戦争が終結したとは言え、過激派組織によるテロ活動が続いており日本人が安易にイラク入りをすれば事件に巻き込まれる可能性は十分にあったのです。

理由は過激派組織により外国人が拉致、殺害される事件が頻発していたからです。国が入国を規制していたのに自ら危険な場所へ向かったことが自業自得だと言われる原因となりました。

ヨルダンで忠告を受けていたのに入国した

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ヨルダンのクリフトホテルでは映画監督の四ノ宮浩さんがイラク入りを止めていました。イラクのホテルを紹介してほしいと頼む香田さんを引き止めましたが聞き入れてもらえず、最終的にはバグダッド市内のカサブランカホテルを紹介しています。

さらにクリフトホテルのフロント係もイラクへ行くことを止めていました。しかし香田さんは「いやだ、行く」と言い出発してしまったと言います。

四ノ宮さんは香田さんが拉致、殺害されたことを知りもっと必死に引き止めれば良かったと悔いたと言われています。

旅行目的でイラク入りをした

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香田さんはジャーナリストでも写真家でもなく民間人として旅行目的で入国しました。ヨルダンのアンマンについた翌日にはバクダッド行きのバスに乗ってイラク入りを果たしています。

当時は非常に治安が悪く日本の民間人がイラクに行くようなことはありませんでした。それにもかかわらず忠告を無視して危険な場所へ飛び込んだことで多数の非難を浴びています。

四ノ宮さんはバスに乗り込む直前にも香田さんを引き留めています。「行くのはやめた方がいい」と伝える四ノ宮さんに対して香田さんは「何とかなる」と答えました。

携帯電話を持たないなど装備が不十分だった

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香田さんは携帯電話を持たないなど装備が不十分でした。所持金はわずか100ドルでバグダッドのホテルの宿泊費はバスに乗り合わせた乗客に頼むつもりだったと言います。

十分な現金と一番安全なホテルを予約してあるとしても入国には相当の決意が必要ですが、香田さんは身軽な恰好でイラク入りをしたことから不測の事態を想定していなかったのではないかと見られています。

安易に旅行気分で入国して事件に巻き込まれたとして強い批判を受けました。

映画「相棒」の内容は事件がモデル?

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映画「相棒ー劇場版-絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン」内で登場するエルドビア青年殺害事件は香田さんの事件がモデルではないかと言われています。

作品では自己責任論を暗に批判し政府の対応に対しても批判が込められています。映画のあらすじや作品に込められた思いを見ていきましょう。

「相棒ー劇場版ー絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン」のあらすじ

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映画はテレビで放映されている刑事ドラマの劇場版で主人公は杉下右京と亀山薫です。ニュースキャスターが殺害された現場に謎の記号が残されていた頃、右京と薫は左翼過激派から手紙爆弾を送りつけられた衆議院議員の警護を担当していました。

警護中に衆議院議員の車が襲撃を受け、阻止することはできましたがニュースキャスター殺人事件と同様に謎の記号が残されていることを見つけます。

2つの事件には一人の青年がエルドビアで反米勢力に拉致され国に見殺しにされた事件と外務省の機密文書「Sファイル」の存在が絡んでいることが明らかになります。

自己責任論を批判している

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映画の中では退避勧告を出されていたにもかかわらずエルドビアに滞在して反米勢力に殺害された青年が登場します。エルドビアに留まったのは自己責任だとして激しく非難され残された家族は名義を変更しなければならないほど激しいバッシングを受けました。

しかし本当は殺害された青年に退避勧告が出されていなかったことが判明します。また、青年は難民救済活動を行っていて現地の子どもたちからたくさんの感謝の手紙が届いていたことがわかりました。映画では世間からの激しい中傷を受けた家族が殺人事件を起こしていることから自己責任論を批判しているのではないかと言われています。

政府への批判が込められている

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映画ではエルドビアで息子を殺害された父親が、殺害に関する外務省の機密文書「Sファイル」の存在を公の場で明らかにさせることを目的として事件を起こしました。

青年は身代金目的で誘拐され政府が要求を拒んだことで殺害されましたが、政府は退避勧告を出していたと嘘をついて自己責任であると国民に説明していました。

事件後も外務省はSファイルを公表することに抵抗していました。しかし襲撃を受けた衆議院議員がSファイルの内容を公表したことで当時の政府の見解が誤りであることや青年に落ち度がなかったことが明らかになったのです。香田さんの事件でも政府は自衛隊の撤退という要求を拒否しています。

香田証生さんが殺害される映像を流したKLACK事件とは

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香田さんに関する事件にKLACK事件があります。KLACKは2003年に結成したビジュアルバンドで反社会的な歌をうたうことで有名で、2004年のライブの最中に香田さんが殺害される動画を流して批判を浴びました。

その後も問題はなかったと主張して激しいバッシングを受けています。公式サイトはサーバー攻撃を受けてダウンし数か月復旧できない状況となりました。

2007年には殺害予告を受けてライブ会場に警察が出動する事態となりました。2008年に活動を休止しています。

同様の人質事件は他にも起きている

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同様の人質事件は他にも起きていて、日本人が犠牲になったケースもあります。直近では2014年のISILによる日本人拘束事件で男性2人が殺害されました。

他の国の民間人も被害に遭っていて過激派組織がたくさんの人を殺害していることがわかります。それぞれの事件について詳しく見ていきましょう。

イラク日本人外交官射殺事件

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