2019年3月21日 更新

5本のバラの意味と花言葉は?他の本数の意味と色による違いも!

今回は、5本のバラにこめられた意味と花言葉を中心に、ほかの本数にも意味があるのかどうか、あるとしたらどんな意味があるのか見ていきます。また色別の花言葉も違いがわかるように紹介します。最後にバラにまつわるエピソードも紹介していますのでご覧くださいね。

バラは古くから人々に愛されてきました。ヨーロッパの美術館を飾っている絵画の中には、「ヴィーナスの誕生」などの名画のようにバラが描かれているものがたくさんあります。ヴィーナスはギリシャ神話に登場するアフロディーテです。このように、神話の中にはバラにまつわる話がいくつも収められています。

以下では、いろいろな神話の中に残されているバラのエピソードをいくつか紹介します。

ギリシャ神話の中のバラの話

Painting La Nascita Di Venere - Free photo on Pixabay (108972)

<アフロディテの誕生>美と愛の女神アフロディテの名前は「泡から生まれた」という意味を表します。その名の通り、アフロディテは泡から生まれます。その泡は、クロノスが自分の父親ウラノスの体の一部を切り取って海に捨てたとき、海を漂うその体の一部からわき出したものでした。そしてアフロディテはその泡から生まれて泡に包まれたまま海の上で金髪の絶世の美女に成長します。

やがてアフロディテは西風の神ゼピュロスに運ばれて地中海の東端、キプロス島に上陸しますが、彼女が陸にあがって歩きはじめると、至るところに花が咲き乱れたといいます。また季節の女神たちがやってきてアフロディテに美しい衣を着せますが、この衣は、美しい白い花で縁どられていたといいます。

これらの花が、語りつがれていく間に、「白いバラ」となっていったと考えられています。
Flower Anemone Red - Free photo on Pixabay (111968)

<アフロディテのアドニスへの愛>アフロディテは、フェニキアシリアの王子で美青年のアドニスをこよなく愛しておのずから養育をするようになります。しかしこの少年の狩り好きだけはアフロディテの愛のレッスンでも矯正することはできず、ある日、少年アドニスは、射ち損じたイノシシに逆に襲われて命を落とすことになります。

このとき空を舞っていたアフロディテは、アドニスの悲鳴にすぐに駆けつますが、時遅しで、アドニスは真っ赤な血を流しながら死んでいきます。そのときにアドニスの流した血が染めた土の上には、毎年春になると真っ赤なアネモネが咲き乱れるようになり、今でもレバノンの山腹を覆っているといいます。

この赤いアネモネ(ギリシャ語でアドニス)は、やがて赤いバラとなっていろいろなところで紹介されるようになりましたが、時代を経てこのエピソードが語りつがれていくうにち赤いバラとなっていったのでしょう。ヨーロッパの人たちのバラを愛する思いの表れだと考えることができますね。

ローマ神話の中のバラの話

Sculpture Statue Cupid - Free photo on Pixabay (112172)

ローマ神話には、ヴィーナス(アフロティテのことをローマ神話ではこう呼びます)の子のキューピッドとバラのエピソードがいくつか収められています。

1つ目は、ある日キューピッドが、神へ捧げるお神酒を運んでいるときに、何かにつまずいて転んでしまって、そのお神酒をこぼしてしまいます。するとこぼれたお神酒がバラの花になって地面を覆っていったという話です。

2つ目は、バラの花を見つめていたキューピッドが、そのかぐわしい香りと美しさに、思わずバラの花にキスをしようとしたところ、中で蜜を吸っていたミツバチが驚いて、キューピッドのくちびるを針でさ刺しました。そのときビーナスは、痛がって泣くキューピッドのくちびるからミツバチの刺した針を抜いてやると、その針をバラの茎に刺します。バラにとげがあるのはこれが原因だという話です。

ポルトガルの伝説の中のバラの話

Pink Roses Background - Free photo on Pixabay (112309)

今から約1000年前の話です。ポルトガルの王妃さまに起こった「バラの奇跡」という伝説です。王妃さまは心優しくて、いつも貧しい人たちに食べものや金銭を施していました。それを知った王さまは、森づくりや農業技術の開発などに資金を使う方が民のためになるといって、王妃さまに施しを止めるように命じます。

しかし王妃さまは、貧しい人たちを放っておくことができず、隠れてほどこしをし続けていました。ある冬の朝、スカートにパンやチーズなどの食べものを隠して施しに出かけようとしていた王妃さまは、王さまに呼び止められます。王さまは、王妃さまのスカートのふくらみを不審に思って、「何を隠しているのだ?」と尋ねます。

王妃さまは、思わず、「今摘んだバラの花よ」と答えますが、王さまは「冬にバラの花が咲くわけはない」といいます。そこで覚悟を決めた王妃さまがスカートを広げて見せると、そこから本当にバラの花がばらばらと落ちてきたというこの話は、ポルトガルで伝説として語られていて、お城があったところには、バラの花を抱えた王妃さまの像が立っているそうです。

オーストリアの伝説の中のバラの話

Book Reading Love Story - Free photo on Pixabay (112345)

昔々、ドナウ川に面して高くそびえ立っている岩山の上にシュレッケンワルトという盗賊が住んでいました。この盗賊は、出会った旅人から金品を奪うと、その旅人を、1㎡ほどしかない「バラ園」と呼んでいる険しい岩場に置き去りにすることで、みんなから恐れられていました。

しかしあるとき、この盗賊につかまって「バラ園」に置き去りにされた若者がそこから逃亡することに成功して、お役人に通報したためにシュレッケンワルトは逮捕されて死刑に処せられます。

この伝説から、オーストリアでは、今でも、「のっぴきならない状態に陥った」ことを「シュレッケンワルトのバラ園にいる」というそうです。

ドイツの叙事詩の中のバラの話

Book Pages Read - Free photo on Pixabay (112381)

13世紀に書かれた叙事詩「ヴォルムスのバラ園」にもバラ園が登場します。これは、当時の騎士道精神を描いたも叙事詩です。ヴォルムスというドイツ連邦共和国の都市にあったバラ園の所有者に挑発されて、そのバラ園を守る12人の戦士に、東ローマ帝国の王とフン族の王が協力し合って挑みます。結局、この東ローマ帝国の王とフン族の王は、12人のうち1人を除いてことごとく打ち負かすことに成功し、最後に名誉と花輪とキスを贈られるという話です。

アルバニアの民話の中のバラの話

Flower Rose Love - Free photo on Pixabay (112395)

昔々あるところに、王さまと王妃さまに愛されて幸せに暮らしていた王女さまがいました。ところがある日、王妃さまと王さまが立て続けになくなって、王女さまの顔から笑顔が消え、毎日悲しみに暮れて過ごすようになりました。しかも、その王女さまに追い打ちをかけるように不幸な出来事が起こりました。お城が火事で燃えてしまったのです。

王女さまは、着の身着のままでお城を出て、1人で放浪の旅に出ていきました。そのとき、王女さまが流した最初の一粒の涙は地面に落ちるとすぐに芽吹いて大きなバラの木になって美しい花を咲かせました。それからも王女さまは泣きながら世界中を旅してまわりましたが、そのときも、流す涙はことごとくその地でバラの木となって花を咲かせたといいます。

途中立ち寄ったペルシャのイスファファーンでは、王女は石の上に座って三日三晩泣きつづけました。そのために、イスファファーンは世界で一番美しいバラにあふれる街となったのです。長い放浪の旅の末、最後に一人ぼっちで死んでいった王女の亡骸が埋められたところには、世界中で一番大きくて美しいバラの木が、いまでも美しい花を咲かせているといいます。

5本のバラをプレゼントして愛を伝えてみるのはいかがでしょうか?

Roses Heart Mother'S Day - Free photo on Pixabay (112422)

今回は、5本のバラの意味から、バラの色別の花言葉や本数にこめられた意味、さらには、バラにまつわるいろいろな話を紹介してきました。こうして見てみると、バラが世界中の人々に愛されている花だということがよくわかります。だからこそ、愛する人に贈りたい花も、また、このバラなのですね。

12本、いや108本のバラをもってプロポーズする前に、あなたも、「あなたに出会えて本当によかった」という気持ちを5本のバラに添えて、大切な人に贈ってみてはいかがでしょう。

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