2019年3月22日 更新

おたんこなすの意味と語源は?使い方とぼけなすやどてかぼちゃとの違い

おたんこなすという言葉を使ったことがありますか?聞いたことはあるけれど、正しい意味を知らなくて使いどころがわからないという人もいいでしょう。語源やどこで使われている方言なのか。また、ぼけなすやどてかぼちゃとの違いについて解説します。

おたんこなすとぼけなすの違い

Eggplant Aubergine Solanum - Free photo on Pixabay (118209)

茄子を使った悪口に「ぼけなす」という言葉があります。「ぼけなす」は「おたんこなす」と意味合いが違うのでしょうか?

ぼけなすのほうが現代でも使われることが多いでしょう。おたんこなすはおたんこが一体何なのか想像しづらく、文字数が少し多く咄嗟に使いづらいものです。

ですが、ぼけなすならば短いためサッと言え、ボケという言葉の意味は想像できやすいため使いやすいのです。実際に使うときは、「このボケ!」というより「このぼけなす!」という方が優しく聞こえます。

ぼけなすの意味

People Man Guy - Free photo on Pixabay (118217)

ぼけなすは「皮の色艶があせた茄子、ぼんやりした人を罵る言葉」です。「なにもできない人」のこと、さらには「とぼけた人」を指すようになりました。

「おたんこなす」は、能力が足りない状態を指すのに対し、「ぼけなす」は能力云々でなく環境に甘んじてやらない人という点で、違いがあります。

ぼけなすの由来

Eggplant Vegetables Cook - Free photo on Pixabay (118211)

「ぼけ」は「呆ける」ということ。「呆けた茄子」とはなんでしょうか?

茄子という植物は、環境が良すぎるところで育つと実をつけなくなり、繁殖しようとしなくなり、その状態を「ぼけなす」と呼びます。繁殖は生物で最大の使命であるにも関わらず、自分が良い環境にいるからといって何もしなくなるのです。

それを人に当てはめると、「温室育ちの何もできないお坊ちゃまお嬢ちゃま」ということとなり、「なにもできない人」という意味で使うようになりました。ぼけなすを人に例えると、両親に甘やかされて仕事をしないニートと言ったところでしょうか。

ぼけなすを英語で言うと?

English Language - Free photo on Pixabay (118219)

ぼけなすを英語で言う場合、英語で「茄子を使った悪口」というものはないので、全く同じ意味の言葉はありません。食べられない茄子としての英語か「とぼけた人」という悪口を指す英語があります。

茄子のことを述べたいのか悪口を言いたいのかで、使いわけましょう。

悪口ではなく、植物として食べられない茄子の状態を「faded:新鮮さが衰える」「dull-colored eggplant:鈍い色の茄子」と言います。「halfwit:まぬけ、うすばか」「slow-witted:飲み込みが遅い、頭が悪い」「abstracted person:ぼんやりした人」などは悪口としての「ぼけなす」と同義語になります。

野菜を使った悪口の代表「どてかぼちゃ」

Pumpkin Halloween Autumn - Free photo on Pixabay (118222)

野菜を使った悪口で「おたんこなす」と並んで使われるのは、「どてかぼちゃ」です。おたんこなすと違って、どんくさいような響きです。

どんな意味で、どんな時に使えば良いのでしょうか。

どてかぼちゃの意味とは

Pumpkin Fruit Autumn Cucurbita - Free photo on Pixabay (118227)

どてかぼちゃとは、「役立たず」「半端者」という意味です。なぜそのように言われるのかと言うと…

昔は河川敷の土手は誰の土地でもありませんでした。土手の土は肥料もなく痩せていますが、貧しい人々はそこにかぼちゃを植えたのです。
土手は日光を遮るものがなく、日をたくさん浴びます。しかし、かぼちゃは日光が当たりすぎると割れて美味しくなくなってしまうのです。

そうしてできたたくさんのかぼちゃは美味しくないのでした。つまり、土手で育ったかぼちゃ=美味しくない=役に立たない、ということから、「どてかぼちゃ」という言葉が生まれました。

使い方

Kitten Cute Cat - Free photo on Pixabay (118232)

ノンタンシリーズ「ノンタンの誕生日」で使われています。「くまさんのどてかぼちゃ!」とノンタンが怒ります。

訳すと「くまさんの『役立たず』!」となります。訳してみるとかなりキツイことを言っていますが、「どてかぼちゃ」と表現することでオブラートに包まれ、子供向けの絵本でも使いやすい言葉になります。
Bunny Rabbit Easter - Free photo on Pixabay (118237)

ちなみに「ノンタンの誕生日」では、ノンタンは他にも悪口を言っています。「ぶたさんのとうへんぼく!」「たぬきさんのおたんこなす!」「うさぎさんのへちゃむくれ!」、つまり「ぶたさんの偏屈や!」「たぬきさんのまぬけ!」「たぬきさんの意気地なし!」とお友達を罵るのでした。

ノンタンが使うとほほえましいですが、悪口であることを忘れてはいけません。

野菜を使った悪口は他にもある

Vegetables Garden Harvest - Free photo on Pixabay (118241)

どの野菜であっても悪いイメージの野菜なんていません。日本人は農耕民族であるため野菜が身近にあります。

そんな身近な野菜に例えることで、遠回しな悪口を作り出しました。日本には多くの野菜を使った悪口が存在します。

ここでは6個の悪口を紹介します。

頭がピーマンの意味

Paprika Fruit The Inside Of - Free photo on Pixabay (118243)

1970年代後半に流行った言葉で、「頭の中が空っぽ、頭が悪い」という意味です。悪口が流行語となったということに驚く方も多いでしょう。

ピーマンを半分に切ってみてください。中は種だけ入っていて空洞です。中身がないことから頭が空っぽへと転じ、悪口として使われるようになりました。

これから派生して「話がピーマン」という言葉も生まれました。これは「話の内容がないこと」「話が通じないこと」を表します。

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