2021年4月19日 更新

標語とは?標語の例や575にする理由と俳句との違いは?

看板やポスター等で、575の俳句調で作られた標語を目にした事がある方も多いと思います。また、学校の宿題で標語を作ってくるように言われたお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。 標語がどのようなものなのか、例を挙げながら改めて認識を深めていきましょう。

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俳句の特徴は、575の3句17音で出来た詩であることです。有名な句をあげると、『古池や蛙飛こむ水のおと 』など。こちらは松尾芭蕉の句ですね。ご存じの方が多いと思います。その歴史は明治中期まで遡り、基本的に季語を含める決まりになっています。伝えたい情景をたった17音で表現しなければならないため、その内容はかなり洗練されていなければなりません。

伝統芸能のため、先ほど紹介した川柳と比べると詠みづらいと感じる人もいるかもしれませんね。

短歌との違い

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短歌は、近代までは和歌と呼ばれていました。万葉集、古今和歌集といったものが有名ですね。当時、短歌は貴族が嗜むものでした。俳句より長く、57577の31音で構成され、俳句のように季語などの決まりはありません。

有名な短歌をあげると、『やは肌の あつき血汐にふれも見で さびしからずや道を説く君』など。こちらは、与謝野晶子の『みだれ髪』で載せられています。決まった文字数制限の中で作者の心情などを表現するのが短歌の楽しみですね。

標語は575で作るのがおすすめ!

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標語は575等、文字数を決めて創る決まりはありません。しかしながら、『火の用心マッチ一本火事の元』『飛び出すな車は急に止まれない』など、575の音で創られている標語は上記の例のほかにも沢山あります。

それは、日本語の単語+助詞((例)お日さま+が)が5音または7音に収まりやすいからです。日本語は3音~4音の単語が多いため、助詞を含めて5~7音にしやすいのでしょう。さらに日本音階というものもあり、5音や7音は日本人にとっても非常になじみ深い文字数です。そのため、特に決まりはありませんが575の標語が多く、心に残りやすいのです。

標語の例を紹介!

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標語にも目的に応じていくつかの種類が存在します。会社や学校の規模から世界平和と、内容も様々です。

その中から7種類の標語を例に挙げながら紹介していきます。

印象も表現の仕方もそれぞれ違うので、参考にしてみてください。

安全系

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安全系といえば頭に浮かぶのは『交通安全標語』ですね。ポスターでも、テレビでも見られる頻度の多い標語になってると思います。飲酒運転、信号無視や交通マナー、飛び出しやチャイルドシートの着用義務等、注意事項も多く、沢山の標語になっています。

飲酒運転撲滅の「一杯で 消える未来と 消せぬ罪」や、信号無視を咎める「赤信号 わたったうしろに 子供の目」などは有名ですね。他にも焦って横断しないように「渡りきる 老いの歩幅に 待つゆとり」などの標語もあります。

防犯系

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防犯系というと専門用語が増えてしまいがちですが、だからこそわかりやすい標語は心に残るとも言われています。たとえば、振り込め詐欺に対する注意喚起の標語としては「今すぐに お金がいるとの電話来る 詐欺かもしれぬ用心せよ」が有名です。

また、犯罪防止だけではなく非行を防止するために「話そうよ 今日の出来事 明日の夢」のような標語もあります。これは家庭でしっかり会話をして子どもの様子が違っていたら早期に気付こうという意味が込められています。

食中毒系

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食中毒は、日頃から注意をしていく必要のあるテーマです。そのため大人でも子どもでもわかりやすい標語が多くなっているという特徴があります。

焼き肉やBBQの時に覚えておきたい「焼く箸と 食べる箸との 二刀流」や、しっかり保存することを促す「食べぬなら 入れてしまえよ 冷ぞう庫」、他にも手からの感染を防ぐ「手あれあり 手ぶくろつけて さあ調理」も食中毒を防ぐためには非常に教訓となる標語だと言っても良いのではないでしょうか。

火災系

Firefighters Fire Flames · Free photo on Pixabay (74538)

昭和41年度から、防火意識を高めるために『全国統一防火標語』を一般から募集しています。小学校でも防火に関する標語を作った覚えがあるという人も多いのではないでしょうか。

大人にも子どもにも注意を促す「火あそびは やっちゃいけない やらせない」や、火のつけっぱなしを注意する「ぼくが消す ぼくがつけた火 ぼくの責任」、さらに「火の用心」という言葉を使いストレートに意味が伝わる「みんなのえがお 明日につなぐ 火の用心」などもよく知られています。

地震系

Earthquake Rubble Collapse · Free photo on Pixabay (75094)

事故や不注意とは違い、いつ我が身や家族、大切な人の身に襲いかかるかが解らないのが地震です。だからこそ日頃から〝起きてしまった時のため〟に備えておく必要があります。

地震が起きる前に備えるため、多数の標語が存在しています。「置いてある? かげのヒーロー 非常食」や「今決めよう 家族と会う場所 逃げる場所」など、地震が起きる前にチェックすべきポイントを教えてくれる標語ですね。地震に関する標語を見かけたら、良い機会だと思って家族と話し合ってください。

いじめ系

Bullying Child Finger · Free photo on Pixabay (75230)

いじめ系の標語といえば「イジメ、ダメ。絶対。」が有名です。しかしながら、もちろんそれ以外にもたくさんの標語があります。たとえば「教室で いじめるあの子と ながめる私 泣いてるあの子には どちらも敵」や「「やめなよ」と言えるのは標語の中だけなのか。」、「言葉だけじゃ変わらない。同情だけじゃ変わらない。行動とるまで変わらない。」のように、575のリズムにこだわらないものもあります。

意外と身近な問題であるいじめに関する標語、自分でも作ってみると良いかもしれません。

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