2019年8月19日 更新

色情の意味とは?色情の使い方や類語と色情魔の特徴は?

色情という言葉の意味を知っているでしょうか。色情とは色情魔という使われ方もする言葉ですが、他人に対してはあまり好ましくない表現とされているので耳慣れない人もいるかもしれません。色情の意味や使い方、例文について解説していきますので参考にしてください。

文豪・太宰治の『メリイクリスマス』という作品の中に「色情」という言葉が出てきます。『私はいよいよ自惚れた。たしかだと思った。母は私に惚れてはいなかったし、私もまた母に色情を感じた事は無かったが、しかし、この娘とでは、或あるいは、と思った。』という文章で母親に対して性的な魅力は感じなくても、その娘に対しては魅力を感じることができるかもしれないと表現しています。

単に「性欲」などの単語を使うよりも、古風で文学的な表現ができるようになります。また「色情」という言葉で、娘が単なる魅力的な人物ではなく女性らしい人物であることも表現できています。

泉鏡花「白い下地」

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官能的な世界観の表現力が優れていると評される泉鏡花の作品にも、もちろん色情という言葉が出てきます。たとえば『白い下地』では冒頭に『色といえば、恋とか、色情とかいう方面に就いての題目ではあろうが、僕は大に埒外に走って一番これを色彩という側がわに取ろう、そのかわり、一寸仇ッぽい。』という表現があります。

「色」という言葉から色情や恋愛など色々なものをイメージすることができますが、作中では「色彩」に焦点を当てて女性のことを評しています。ダイレクトに色情的な表現はありませんが、とても色気のある作品になっています。作品全体もとても短いので、興味がある人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

宮本百合子「深く静に各自の路を見出せ」

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色情という言葉を使って小説を執筆するのは男性作家だけではありません、プロレタリア文学の宮本百合子の作品にも、たびたび色情が登場しています。『深く静に各自の路を見出せ』では『新たな恋愛価値の創始、人格の飛躍が、一方、色情狂めいた性的好奇心の横行とともに、今日の社会には到るところに叫ばれていると思うのである。』という表現があります。

プロレタリア文学は労働者の貧困や苦しい現実を描く文学ですが、こちらの作品でも社会の多様性について深く言及されています。
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今回紹介した三作品は、いずれも著作権が切れているため青空文庫でWeb上で無料閲覧が可能です。この作品の他にも色情を取り扱った作品は多数ありますので、目を通してみてはいかがでしょうか。

色情について詳しくなれましたか?

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おみくじなどで目にする機会は多々あっても、実は本来の意味を知らない人も多い「色情」について解説してきましたが、意味だけではなく使い方や類語、派生語などを覚えることはできたでしょうか。

色情に限らず、普段目にする機会が少ない言葉は正確な意味を知らないものも多々あります。知らない言葉に出会った時は、その単語の意味だけではなく類語や対義語、派生語を一緒に覚えることで、いつでも適した言葉遣いができるように語彙力を伸ばしていきましょう。

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